<パネルディスカッション>社会的養護出身の若者の困窮リスクと支援制度~住まい・仕事・支援者とのつながり~
家庭で適切な養育を受けることができず、施設等での社会的養護を経験した若者は社会に出るときに多くの困難に直面する。そもそも日本の社会保障、社会福祉制度は家族による経済的支援やケアを前提とする家族主義と、安定した仕事が存在することを前提とするため、家族に頼ることができない若者たちの独り立ちは困難なものにならざるをえない。安定的な仕事に就くことが難しい若者たちは困窮しやすく、住まいも不安定なものになりがちである。
したがって、生活がうまくいかなくなったり、体調を崩したときに相談できる支援者とのつながりは若者にとって命綱ともいえる。だが、若者たちが必ずしも支援者や制度にうまくつながれているわけではない。特に法律上「児童」でなくなり、社会的養護制度の保護対象から外れる18歳以降の若者の支援については、明確な規定がなく、責任の所在も曖昧である。社会的養護制度の下で育った若者たちへの自立支援事業は徐々に拡充されてきてはいるものの、十分ではなく、自治体によって地域間格差も大きい。
パネルディスカッションでは、自立準備をする若者のための入所施設である自立援助ホームの職員ならびに、地域で生活する若者たちに居住、就労、生活相談等様々な支援をおこなうアフターケア事業所職員より、支援現場からみえる若者たちの困難と支援の実際についてお話しいただき、伴走支援者によるソーシャルワークの重要性と支援制度の課題について考える。また、自立生活の基盤となる住まいの確保はなぜ難しいのか、日本の住宅保障制度の問題点を踏まえ、若者に必要な居住支援の在り方について検討する。社会的養護の若者の自立支援において、どのような制度改善が求められているのか、低所得不安定就労の若者に対する社会保障制度の充実をも視野に入れ、パネルディスカッションを通して考える。
【パネリスト】
前川礼彦(自立援助ホーム 湘南つばさの家 ホーム長)
矢野茂生(NPO法人おおいた子ども支援ネット 専務理事・事務局長)
小田川華子(客員所員・公益社団法人ユニバーサル志縁センター 事務局長)
濵田江里子(準所員・立教大学コミュニティ福祉学部 准教授)
したがって、生活がうまくいかなくなったり、体調を崩したときに相談できる支援者とのつながりは若者にとって命綱ともいえる。だが、若者たちが必ずしも支援者や制度にうまくつながれているわけではない。特に法律上「児童」でなくなり、社会的養護制度の保護対象から外れる18歳以降の若者の支援については、明確な規定がなく、責任の所在も曖昧である。社会的養護制度の下で育った若者たちへの自立支援事業は徐々に拡充されてきてはいるものの、十分ではなく、自治体によって地域間格差も大きい。
パネルディスカッションでは、自立準備をする若者のための入所施設である自立援助ホームの職員ならびに、地域で生活する若者たちに居住、就労、生活相談等様々な支援をおこなうアフターケア事業所職員より、支援現場からみえる若者たちの困難と支援の実際についてお話しいただき、伴走支援者によるソーシャルワークの重要性と支援制度の課題について考える。また、自立生活の基盤となる住まいの確保はなぜ難しいのか、日本の住宅保障制度の問題点を踏まえ、若者に必要な居住支援の在り方について検討する。社会的養護の若者の自立支援において、どのような制度改善が求められているのか、低所得不安定就労の若者に対する社会保障制度の充実をも視野に入れ、パネルディスカッションを通して考える。
【パネリスト】
前川礼彦(自立援助ホーム 湘南つばさの家 ホーム長)
矢野茂生(NPO法人おおいた子ども支援ネット 専務理事・事務局長)
小田川華子(客員所員・公益社団法人ユニバーサル志縁センター 事務局長)
濵田江里子(準所員・立教大学コミュニティ福祉学部 准教授)