ワープロでの提出は、原則横書きである。ただし、論文の内容がワープロを使っても縦書きの方が向いている場合はこの限りでない。
1.目次と項目の区分表記について
- 区分表記法は、必ず論文全体で統一して使用する。
- 大見出しは、第○章、第○節、第○項のように、章・節・項の頭に「第」をつける。
- 上記の区分表記法以外に、第一、第二、第三・・・、一、ニ、三・・・、それにI、II、III・・・といった表記を用いてもよい。
- 論文の分量が多い場合、あるいは内容によって全体を二つ以上に大きく区分する場合、章の上位に、第一部、第二部、第三部・・・、第一篇、第二編、第三編・・・といった表記をとる。
- 小見出しは、章・節・項の順に並べるとき、例えば、一、ニ、三・・・、1、2、3・・・、(1)、(2)、(3)・・・の順に表記する。
- 小見出しは、数字の代わりにアルファベットを使用してもよいが、1.1.1.、1−1−a というような、数字を並べるだけの小見出しは避ける。
2.原稿作成ならびに用紙への印字・編集についての注意
ワープロ使用での論文作成は、原稿用紙への清書と異なる点が多い。ワープロでは編集、挿入、削除などが比較的容易であり、清書に至るまでの原稿執筆負担が軽くなる半面、同音異義語、半角扱い、ページの合成などでは、ワープロで発生しやすいミスが起こりやすい。締め切り間際になって最後に一括して清書原稿をプリントアウトすると、思わぬトラブルに巻き込まれることがあるので、プリントアウトは随時しておくことが望ましい。
また、ワープロ論文は原則として横書きの体裁であるから、漢数字や表記の仕方が縦書きと異なる場合もあるので注意すること。
☆<参考>「横書きの方式」『記者ハンドブック』(共同通信社、最新版)など。
☆以下は特に注意すること。
- 句読点は「、」 「。」とする。「,」「.」は使わない。
- インクリボンは、黒系統に限る。本文は明朝体活字を使用する。
- 、。:;− ( ) 《 》 「 」 『 』
%などの符号(句読点・語学記号・商用記号・括弧)も1字分として書く。ただし、句読点、記号などは禁則処理扱いとし、行頭に来ないようにする。
- 欧文・ローマ字・洋数字等は原則として半角扱いとする。標準1字分のスペースに2字分の割合で書く。例えば、1989年 → 1989年
昭和36年 → 昭和36年とする。
- 表題や区分見出しは左から1字または数スペースあけ、目立つように倍角・強調などの編集機能を使って書く。なるべく2行にならないよう、長さ(文字数)にも気をつける。
- 文言・文章の書き出しと改行のときは、原則として1字分あける。意味のない行数あけはしない。
- 用紙へのプリントアウトが完了したら、ページ番号を打って仮綴じする前に、何度も読みなおし、場合によっては他の者に読んでもらい、見出しの順序(特に「目次」に表記したものと異ならないよう注意)、誤字・当て字の有無、文字・文言・文章の脱漏、用紙の順序等を綿密にチェック。
- 特に次の点に注意する。
- 修正した箇所をそのまま空欄で提出しないこと。場合によっては1ページ全部(ときには数枚)を再プリントアウトする。
- ページ数の打ち間違いに気をつける。ページ付けは原則本文からとする。
- 「目次」の中の章(場合によっては項にも)に該当ページ数を記入する。
- 意味のない章扉作りなど“ページかせぎ”と思われるようなことはしない。
3.引用と「注」の書き方について
1. 引用には直接引用と間接引用とがある。いずれの場合も次の点に注意する。
- 必ず出典を明記すること。引用ページの付記を忘れてはならない。
- 直接引用の場合は原文をそのまま使用し、引用符「 」で囲み、右肩上に番号をつける。ただし、必要以上に長くならないこと。
-
例:「論文はあるまとまった思想や研究成果を発表するために書かれる」(番号右肩上が入る)
- 引用の字数が多い場合、また長短にかかわらず、一つの考えとして紹介すべき場合などは独立した引用とする。その場合、引用文の前後は1行あけてもよい。
- 間接引用の場合は原文の内容に忠実であること。なお、どこまでが間接引用であるか、引用の範囲を明らかにすること。
- 外国文献を翻訳書から引用する場合には、原典名、原著者名、邦訳書名、引用箇所のページなどを必ず付記する。
2.
「注」とは、本文中のある事項を以下のような場合にもとづいて指示することである。
@具体的に説明・補足する場合、
A参考事項を記述する必要がある場合
B引用文献の出所を明らかにする場合
C章文節の内容を簡潔に表示する場合
- 「注」は、最も一般的な「後注」を原則とする。各ページの「脚注」でもよい。割注は、比較的短い「注」にのみ許される。
「割注」−本文中に( )〔 〕等の括弧によって割りこませる「注」のこと
- 「注」は各章の終わりに列記し、番号も章ごとに独立させる。ただし、数の少ない場合は指導教員の許可を得て、最後に一括してもよい。
- 「注」は本文より数マス分あけて書く。「注」のために改頁する必要はない。
<例>
……ジャーナリズムの大衆化は、東京集中化現象を反映している(右肩上番号が入る)。
……ジャーナリズムの大衆化は、東京集中化現象を反映している(注2)。
4.出典(引用文献)・「注」の書き方
- 基本的には、(イ)著者名、(ロ)書名(刊行物名・題名)、(ハ)(出版場所) 出版社名、(ニ)発行年、(ホ)引用ページ、の順に列記する。
a) 一般単行本の場合
例:磯部佑一郎『イギリス新聞史』(ジャパン・タイムズ社、昭和59年)、55ページ。
※昭和59年→1984年、55ページ→55頁またはp.55としてもよい。
※p.21/pp.25-36.とはするが、P.25/PP.25-36.とはしない。
例:J.C.Merrill, Global Journalism: A Survey of the World´s Mass
Media
(New York & London: Longman, 1983),
pp.174-75.
※洋書の下線部分はイタリック体になるべき書名のところ。
イタリックにできる文字修飾機能があれば、イタリック体にした方がよい。
例:J.C.Merrill,Global
Journalism: A Survey of the World´s Mass Media
(New York & London: Longman, 1983), pp.174-75.
b) 雑誌掲載論文などの場合
例:高木教典「米国新聞界の繁栄とその条件」『新聞経営』第90号(1985年−T)、
46-47ページ。
例:R.Clendinning,“Vocational Media Training in Australia," Media
Information
Australia(MIA), No.27(February,1983),pp.53-62.
c)
外国文献を引用するが、定まった翻訳書からの場合
例:Ben H. Bagdikian, The Media Monopoly (Boston:
Beacon Press, 1983).
藤竹暁訳『メディアの支配者』(光文社、昭和60年)、10ページ。
d)
定訳書があっても自分で外国文献から引用する場合は、前述したとおりの洋書の
書き方を参考とする。
- いずれも二度目以降は、著者名(同一著者で複数の文献を使う場合、出版年または書名を付記する)か書名を掲げ、引用ページを記入して、これを簡略化してよい。
また、直前の引用と同じ場合、「前掲(書/論文)」などとしてもよい。
例:5) 原寿雄『ジャーナリズムの思想』(岩波書店、1997年)、23ページ。
6) 前掲書、pp.25-27.
*洋書の場合は、Ibid.,pp.25-27.
直前でない場合は、
7) 原、前掲書、30ページ。
*洋書の場合は、Hara, op.cit.,p.30.
5.統計図表、写真、コピー等は原則として原稿用紙に添付して本文中に挿入する
- 図表はできるだけ1ページ内におさめ、上方または下方にバランス良く、また見やすいものでなければならない(場合によっては、縮小コピー、折りたたんでもよい)。
- 図表にはすべて図表題目と番号をつける。引用コピー等の場合、引用もとの図表の番号を残さない。
- 引用図表はもとより、自分で作成した場合であっても、出典(出所)を必ず明記する。出典名はある程度簡略化した表記でもよいが、再引用の場合は、出典名を忘れずに表記する。
- 本文とは直接関係しない参考資料、あるいは付録が多い場合は、最後に一括して載せるか、別製本とする。とくに、調査を主体とする論文は調査原票と基礎集計結果を巻末あるいは別冊資料としてつけることを求める。
- 図表などが多い場合「目次」の次に、「図表目次」をつけること。
6.論文作成に使用した文献
論文作成に使用した文献(「注」として引用した、しないにかかわらず)は全て「参考文献」として巻末に列記すること。
- 和書の場合は、@著者名のアイウエオ順、A同一著者の文献は列記する、洋書の場合は、B著者名のABC順を原則とし、文献類が多い場合は、C「一般」「ジャーナリズム史」 「マス・メディアと社会」 「国際関係」のように分類して表記するなど、わかりやすい表記の仕方を工夫する。
- 洋書著者名については、姓名の順序に気をつけること。
例:Michael Crozier →
Crozier,Michael. 「M」ではなく「C」
J.C.Merrill → Merrill,J.C. 「J」ではなく「M」の順序。
和書(論文)、洋書(論文)、いずれも次の(例1)か(例2)のどちらかに統一する。
<和書>
例1: 西田長寿『日本ジャーナリズム研究史』みすず書房、1989.
例2: 西田長寿『日本ジャーナリズム研究史』みすず書房、1989年。
<洋書>
例1: Merrill,J.C. Global Journalism: A Survey of the World´s Mass
Media.
New York & London:Longman, 1983.
例2: Bagdikian,
Ben H., The Media Monopoly, Boston: Beacon Press, 1983.
- 一般に参考文献は単行書籍のみであり、参考図書類などは省略されることが多い。
7.その他
1. 年号・年月日の書き方
- 基本的には西暦による表記とするが、必要に応じて元号暦を付記する。論文全体を通しての統一性に留意すること。
2. 略語・略号・略称
- 特殊な場合はもちろん、一般に広く使われているものを用いる場合でも、なるべく初出のものには( )の中に正式名や正式訳名を書く。
- 引用文・固有名詞を除き、疑問を表す「?」や、感動を表す「!」などの符号は用いない。
- 若干特殊な用法、あるいは多数の略語・略称などを用いる場合は、本文に入る前に、それらの一覧表をつけること。
3. 人名・地名の書き方
- 日本人の場合、特に珍しい、変わった読み方でない限り、平仮名読みをつける必要はない。また敬称・肩書も一般にはつける必要はないが、インタビューや専門分野の人で広く知られていない人などの場合、肩書をつけ加えたほうが望ましい。 (○○氏、○○社△△課長)
- 著名人では生没年を( )に併記する。
<例> 新井直之(あらい・なおゆき、1929-)
- 外国人名は一般的に姓のみカタカナで書き、フルネームを( )内に入れる。
<例> 「国際コミュニケーションの先駆的学者であるデズモンド/R.W.デズモンド(Robert W.Desmond, or Desmond,
Robert W.) …」
- 外国地を含む地名などは原語をつける必要はない。ただし、一般と違うカタカナ表記をしたり、曖昧な場合には原語をつけたほうがよい。
4. その他
- インタビューした場合、内容などを精査して、論述、引用すること。インタビューの引用部分は引用符「 」で囲み、「注」番号をつけ、「注」には、インタビューした人物名と肩書き、インタビューした場所、年月日を明記する。
- オンラインのソース(例えばウェブ・WWWに掲載されているもの)についての引用は、一般の論文引用に準ずること(以下の例を参照)。著者、論文のタイトルに続いて(英文は(オンライン)を断り)、ウェブアドレスを記入する。最後にソースにアクセスした日時を必ず記入すること。
<例>関根政美「関根研究会論文執筆要綱」http://www.law.keio.ac.jp/~sekine/bdp.html
(1999年10月1日)。
Gill, J. (1995, June). "Communications and
Disintermediation," [Online]. Available
http://www.casti.com/gill/presentations/medicus.html [1996, November
14].