V.執筆上の注意
 ワープロでの提出は、原則横書きである。ただし、論文の内容がワープロを使っても縦書きの方が向いている場合はこの限りでない。


1.目次と項目の区分表記について

  1. 区分表記法は、必ず論文全体で統一して使用する。
  2. 大見出しは、第○章、第○節、第○項のように、章・節・項の頭に「第」をつける。
  3. 上記の区分表記法以外に、第一、第二、第三・・・、一、ニ、三・・・、それにI、II、III・・・といった表記を用いてもよい。
  4. 論文の分量が多い場合、あるいは内容によって全体を二つ以上に大きく区分する場合、章の上位に、第一部、第二部、第三部・・・、第一篇、第二編、第三編・・・といった表記をとる。
  5. 小見出しは、章・節・項の順に並べるとき、例えば、一、ニ、三・・・、1、2、3・・・、(1)、(2)、(3)・・・の順に表記する。
  6. 小見出しは、数字の代わりにアルファベットを使用してもよいが、1.1.1.、1−1−a というような、数字を並べるだけの小見出しは避ける。

2.原稿作成ならびに用紙への印字・編集についての注意

 ワープロ使用での論文作成は、原稿用紙への清書と異なる点が多い。ワープロでは編集、挿入、削除などが比較的容易であり、清書に至るまでの原稿執筆負担が軽くなる半面、同音異義語、半角扱い、ページの合成などでは、ワープロで発生しやすいミスが起こりやすい。締め切り間際になって最後に一括して清書原稿をプリントアウトすると、思わぬトラブルに巻き込まれることがあるので、プリントアウトは随時しておくことが望ましい。

 また、ワープロ論文は原則として横書きの体裁であるから、漢数字や表記の仕方が縦書きと異なる場合もあるので注意すること。

☆<参考>「横書きの方式」『記者ハンドブック』(共同通信社、最新版)など。

☆以下は特に注意すること。

  1. 句読点は「、」 「。」とする。「,」「.」は使わない。
  2. インクリボンは、黒系統に限る。本文は明朝体活字を使用する。
  3. 、。:;− ( ) 《 》 「 」 『 』 %などの符号(句読点・語学記号・商用記号・括弧)も1字分として書く。ただし、句読点、記号などは禁則処理扱いとし、行頭に来ないようにする。
  4. 欧文・ローマ字・洋数字等は原則として半角扱いとする。標準1字分のスペースに2字分の割合で書く。例えば、1989年 → 1989年 昭和36年 → 昭和36年とする。
  5. 表題や区分見出しは左から1字または数スペースあけ、目立つように倍角・強調などの編集機能を使って書く。なるべく2行にならないよう、長さ(文字数)にも気をつける。
  6. 文言・文章の書き出しと改行のときは、原則として1字分あける。意味のない行数あけはしない。
  7. 用紙へのプリントアウトが完了したら、ページ番号を打って仮綴じする前に、何度も読みなおし、場合によっては他の者に読んでもらい、見出しの順序(特に「目次」に表記したものと異ならないよう注意)、誤字・当て字の有無、文字・文言・文章の脱漏、用紙の順序等を綿密にチェック。
  8. 特に次の点に注意する。

3.引用と「注」の書き方について

     1. 引用には直接引用と間接引用とがある。いずれの場合も次の点に注意する。      2. 「注」とは、本文中のある事項を以下のような場合にもとづいて指示することである。
 
@具体的に説明・補足する場合、
A参考事項を記述する必要がある場合
B引用文献の出所を明らかにする場合
C章文節の内容を簡潔に表示する場合
            「割注」−本文中に( )〔 〕等の括弧によって割りこませる「注」のこと     <例>

    ……ジャーナリズムの大衆化は、東京集中化現象を反映している(右肩上番号が入る)。

    ……ジャーナリズムの大衆化は、東京集中化現象を反映している(注2)。

 


4.出典(引用文献)・「注」の書き方

  1. 基本的には、(イ)著者名、(ロ)書名(刊行物名・題名)、(ハ)(出版場所) 出版社名、(ニ)発行年、(ホ)引用ページ、の順に列記する。
     

    a) 一般単行本の場合
     
       例:磯部佑一郎『イギリス新聞史』(ジャパン・タイムズ社、昭和59年)、55ページ。
      
        ※昭和59年→1984年、55ページ→55頁またはp.55としてもよい。
      
        ※p.21/pp.25-36.とはするが、P.25/PP.25-36.とはしない。

      例:J.C.Merrill, Global Journalism: A Survey of the World´s Mass Media

       (New York & London: Longman, 1983), pp.174-75.       

                 ※洋書の下線部分はイタリック体になるべき書名のところ。
           イタリックにできる文字修飾機能があれば、イタリック体にした方がよい。 
        
      例:J.C.Merrill,Global Journalism: A Survey of the World´s Mass Media
        (New York & London: Longman, 1983), pp.174-75.
    
    b) 雑誌掲載論文などの場合

       例:高木教典「米国新聞界の繁栄とその条件」『新聞経営』第90号(1985年−T)、
               46-47ページ。
         
             例:R.Clendinning,“Vocational Media Training in Australia," Media Information
                Australia(MIA), No.27(February,1983),pp.53-62.

          c) 外国文献を引用するが、定まった翻訳書からの場合

       例:Ben H. Bagdikian, The Media Monopoly (Boston: Beacon Press, 1983).

                藤竹暁訳『メディアの支配者』(光文社、昭和60年)、10ページ。
      
          d) 定訳書があっても自分で外国文献から引用する場合は、前述したとおりの洋書の
              書き方を参考とする。
 

  1. いずれも二度目以降は、著者名(同一著者で複数の文献を使う場合、出版年または書名を付記する)か書名を掲げ、引用ページを記入して、これを簡略化してよい。
            また、直前の引用と同じ場合、「前掲(書/論文)」などとしてもよい。

      例:5) 原寿雄『ジャーナリズムの思想』(岩波書店、1997年)、23ページ。

        6) 前掲書、pp.25-27.     

                    *洋書の場合は、Ibid.,pp.25-27.

       直前でない場合は、

        7) 原、前掲書、30ページ。 
                    *洋書の場合は、Hara, op.cit.,p.30.

        


5.統計図表、写真、コピー等は原則として原稿用紙に添付して本文中に挿入する

  1. 図表はできるだけ1ページ内におさめ、上方または下方にバランス良く、また見やすいものでなければならない(場合によっては、縮小コピー、折りたたんでもよい)。
  2. 図表にはすべて図表題目と番号をつける。引用コピー等の場合、引用もとの図表の番号を残さない。
  3. 引用図表はもとより、自分で作成した場合であっても、出典(出所)を必ず明記する。出典名はある程度簡略化した表記でもよいが、再引用の場合は、出典名を忘れずに表記する。
  4. 本文とは直接関係しない参考資料、あるいは付録が多い場合は、最後に一括して載せるか、別製本とする。とくに、調査を主体とする論文は調査原票と基礎集計結果を巻末あるいは別冊資料としてつけることを求める。
  5. 図表などが多い場合「目次」の次に、「図表目次」をつけること。
  

6.論文作成に使用した文献

 論文作成に使用した文献(「注」として引用した、しないにかかわらず)は全て「参考文献」として巻末に列記すること。
  1. 和書の場合は、@著者名のアイウエオ順、A同一著者の文献は列記する、洋書の場合は、B著者名のABC順を原則とし、文献類が多い場合は、C「一般」「ジャーナリズム史」 「マス・メディアと社会」 「国際関係」のように分類して表記するなど、わかりやすい表記の仕方を工夫する。
  2. 洋書著者名については、姓名の順序に気をつけること。

      例:Michael Crozier → Crozier,Michael. 「M」ではなく「C」    
        J.C.Merrill →  Merrill,J.C. 「J」ではなく「M」の順序。
            和書(論文)、洋書(論文)、いずれも次の(例1)か(例2)のどちらかに統一する。

            <和書>

             例1: 西田長寿『日本ジャーナリズム研究史』みすず書房、1989.

             例2: 西田長寿『日本ジャーナリズム研究史』みすず書房、1989年。

            <洋書>

             例1: Merrill,J.C. Global Journalism: A Survey of the World´s Mass Media.
                        New York & London:Longman, 1983.

             例2: Bagdikian, Ben H., The Media Monopoly, Boston: Beacon Press, 1983.
     
     

  3. 一般に参考文献は単行書籍のみであり、参考図書類などは省略されることが多い。

7.その他

    1. 年号・年月日の書き方

    2. 略語・略号・略称

    3. 人名・地名の書き方     4. その他