憲法
第11条
国民は、すべての基本的人権の享有を妨げられない。この憲法が国民に保障する基本的人権は、侵すことのできない永久の権利として、現在及び将来の国民に与へられる。

第12条
この憲法が国民に保障する自由及び権利は、国民の不断の努力によって、これを保持しなければならない。
又、国民は、これを濫用してはならないのであつて、つねに公共の福祉のためにこれを利用する責任を負ふ。

第13条
すべての国民は、個人として尊重される。生命、自由及び幸福追求に対する国民の権利については、公共の福祉に反しない限り、立法その他の国政の上で、最大の尊重を必要とする。

第21条
@ 集会、結社及び言論、出版その他一切の表現の自由は、これを保障する。

A 検閲は、これをしてはならない。通信の秘密は、これを侵してはならない。

 

刑法(わいせつ、名誉・信用棄損)
(明治40年法律45号)

第175条
わいせつな文書、図画その他の物を頒布し、販売し、または公然と陳列した者は、2年以下の懲役又は250万円以下の罰金若しくは科料に処する。
販売の目的でこれらの物を所持した者も、同様とする。

第230条
@ 公然と事実を摘示し、人の名誉を毀損した者は、その事実の有無にかかわらず、3年以下の懲役若しくは禁錮又は50万円以下の罰金に処する。

A 死者の名誉を毀損した者は、虚偽の事実を摘示することによってした場合でなければ、罰しない。

第230条の2
@ 前条第1項の行為が公共の利害に関する事実に係り、かつ、その目的が専ら公益を図ることにあったと認める場合には、事実の真否を判断し、事実であることの証明があったときは、これを罰しない。

A 前項の規定の適用については、公訴が提起されるに至っていない人の犯罪行為に関する事実は、公共の利害に関する事実とみなす。

B 前条第1項の行為が公務員又は公選による公務員の候補者に関する事実に係る場合には、事実の真否を判断し、真実であることの証明があったときは、これを罰しない。

第231条
事実を摘示しなくても、公然と人を侮辱した者は、拘留又は科料に処する。

第233条
虚偽の風説を流布し、又は偽計を用いて、人の信用を毀損し、又はその業務を妨害した者は、
3年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。

 

民法(名誉毀損)(明治29年法律89号)

第709条
故意又ハ過失ニ因リテ他人ノ権利ヲ侵害シタル者ハ之ニ因リテ生シタル損害ヲ賠償スル責ニ任ス

第710条
他人ノ身体、自由又ハ名誉ヲ害シタル場合ト財産権ヲ害シタル場合トヲ問ハス前条ノ規定ニ依リテ 損害賠償ノ責ニ任スル者ハ財産以外ノ損害ニ対シテモ其賠償ヲ為スコトヲ要ス

第723条
他人ノ名誉ヲ毀損シタル者ニ対シテハ裁判所ハ被害者ノ請求ニ因リ損害賠償ニ代エ又ハ損害賠償ト共ニ名誉ヲ回復スルニ適当ナル処分ヲ命スルコトヲ得

 

著作権法(昭和45年法律48号)

第2条(定義)
@…略…
 1 著作物 思想又は感情を創作的に表現したものであつて、文芸、学術、美術又は音楽の範囲に属するものをいう。

第10条(著作物の例示)
A 事実の伝達にすぎない雑報及び時事の報道は、前項第1号に掲げる著作物に該当しない。

第12条(編集著作物)
@ 編集物(データベースに該当するものを除く。以下同じ。)でその素材の選択又は配列によつて創作性を有するものは、著作物として保護する。

A 前項の規定は、同項の編集物の部分を構成する著作物の著作者の権利に影響を及ぼさない。

第15条(職務上作成する著作物の著作権)
@ 法人その他使用者(以下この上において「法人等」という。)の発意に基づき其の法人等の業務に従事する者が職務上作成する著作物(プログラムの著作物を除く。)で、その法人等が自己の著作の名義の下に公表するものの著作者は、その作成の時における契約、勤務規則その他に別段の定めがない限り、その法人等とする。

第32条(引用)
@ 公表された著作物は、引用して利用することができる。この場合において、その引用は、公正な慣行に合致するものであり、かつ、報道、批評、研究その他の引用の目的上政党な範囲内で行われるものでなければならない。

第39条(時事問題に関する論説の転載等)
@ 新聞紙又は雑誌に掲載して発行された政治上、経済上又は社会上の時事問題に関する論説(学術的な性質を有するものを除く。)は、他の新聞紙若しくは雑誌に掲載し、又は放送し、若しくは有線放送することができる。ただし、これらの利用を禁止する旨の表示がある場合は、この限りでない。

 

公職選挙法(昭和25年法律100号)

第138条の3
何人も、選挙に関し、公職に就くべき者(衆議院比例代表選出議員又は参議院比例代表選出議員の選挙にあたつては、 政党その他の政治団体に係る公職に就くべき者又はその数)を予想する人気投票の経過又は結果を公表してはならない。

第148条
@ この法律に定めるところの選挙運動の制限に関する規定(第138条の3〈人気投票の公表の禁止〉の規定を除く。)は新聞紙(これに類する通信類を含む。以下同じ。)又は雑誌が、選挙に関し、報道および評論を掲載するの自由を妨げるものではない。
 但し、虚偽の事項を掲載し又は事実を歪曲して記載する等表現の自由を濫用して選挙の公正を害してはならない。

A 新聞紙または雑誌の販売を業とする者は前項に規定する新聞紙又は雑誌を、通常の方法(選挙運動の期間中および選挙の当日において、定期購読者以外の者に対して頒布する新聞紙又は雑誌については、有償でする場合に限る。)で頒布し又は都道府県の選挙管理委員会の指定する場所に 掲示することができる。

B 前2項の規定の適用について新聞紙又は雑誌とは、選挙運動の期間中及び選挙の当日に限り、次に掲げるものをいう。
  ただし、点字新聞紙については、第1号口の規定(同号ハ及び第2号中第1号口に係る部分を含む。)は、適用しない。

1 次の条件を具備する新聞紙又は雑誌
 イ 新聞紙にあつては毎月3回以上、雑誌にあつては毎月1回以上、号を逐つて定期に有償頒布するものであ   ること。
 ロ 第3種郵便物の認可あるものであること。
 ハ 当該選挙の選挙期日の公示又は告示の日前1年(時事に関する事項を掲載する日刊新聞紙にあつては、6月)以来、イ及びロに該当し、引き続き 発行するものであること。
2  前号に該当する新聞紙又は雑誌を発行する者が発行する新聞紙又は雑誌で同号イ及びロの条件を具備するもの。

第148条の2
@ 何人も、当選を得若しくは得しめ又は得しめない目的をもつて新聞紙又は雑誌の編集その他経営を担当する者に対し金銭、物品その他の財産上の利益の供与、その供与の申込若しくは約束をし又は饗応接待、その申込若しくは約束をして、これに選挙に関する報道及び評論を掲載させることができない。

A 新聞紙又は雑誌の編集その他経営を担当する者は、前項の供与、饗応接待を受け若しくは要求し又は前項の申込を承諾して、これに選挙に関する報道及び評論を掲載することができない。

B 何人も、当選を得若しくは得しめ又は得しめない目的をもつて新聞紙又は雑誌に対する編集その他経営上の特殊の地位を利用して、これに選挙に関する報道及び評論を掲載し又は掲載させることができない。

 

少年法(昭和23年法律168号)

第61条
家庭裁判所の審判に付された少年又は少年のとき犯した罪により公訴を提起された者については、氏名、年齢、職業、住居、容ぼう等によりその者が当該事件の本人であることを推知することができるような記事又は写真を新聞紙その他の 出版物に掲載してはならない。

 少年法第61条の扱いの方針(昭和33年12月16日 日本新聞協会)

 少年法第61条は、未成熟な少年を保護し、その将来の更正を可能にするためのものであるから、 新聞は少年たちの"親"の立場に立って、法の精神を実せんすべきである。罰則がつけられていないのは、 新聞の自主的規制に待とうとの趣旨によるものなので、新聞はいっそう社会的責任を痛感しなければならない。
すなわち、20歳未満の非行少年の氏名、写真などは、紙面に掲載すべきではない。
ただし、
 1.逃走中で、放火、殺人など凶悪な累犯が明白に予想される場合
 2.指名手配中の犯人捜査に協力する場合
など、少年保護よりも社会的利益の擁護が強く優先する特殊な場合については、氏名、写真の掲載を認める除外例とするよう当局に要望し、かつこれを新聞界の慣行として確立したい。.