受験情報 / 在学生から見た新聞学科

3年生 内海 七恵
  
「好きなことを好きなだけ学べる新聞学科」



<入学は成り行きだった私>

  
  私が新聞学科に入学したのは、第1志望校への挑戦がかなわなかったためで、特にジャーナリズムに興味があったわけではありませんでした。試験についてアドバイスするとすれば、特に奇抜な問題などは見られませんので、どの科目も基本的な事項をまんべんなく勉強することが大切だと思います。二次試験では時事問題、作文、面接があっため、試験前はよく新聞を読むように心がけていました。面接では「最近気になったニュースはありますか」、「尊敬するジャーナリストはいますか」などといった質問をされました。



<ところがジャーナリズムを学ぶのは面白い>

  
  入学して1年目は学科科目が少ないため、「新聞学科って何を勉強しているの」と友人に聞かれても、私自身うまく説明できないありさまでした。冒頭に述べたように、私の場合は新聞学科への入学が、いわば「成り行き」的で、動機が消極的であったこともあって実は1年目の私は少々退屈気味でした。
  
  しかし、真の新聞学科の醍醐味は2年目からでないと味わえないということがわかったのです。2年生になるとゼミも始まり、学科科目も急に増えます。月曜から金曜まで最低でも毎日1コマ以上の学科科目を履修していました。朝の9時頃から夕方の5時頃まで、連続で授業がある日もあって、毎日クタクタになって帰宅する有様でした。

  今考えると2年生の1年間は大変充実していたと思います。中でも「ジャーナリズム特殊」という授業では、現在、行革断行に関して政府の委員もしておられる 作家の猪瀬直樹さんを講師に迎えて、独自の切り口で少年犯罪や法人改革問題などを解説していただきました。「時事問題研究」の授業では、学生が数人のグループに分かれて「パレスチナ問題」や「アメリカ大統領選挙」といったトピックについてこれらを掘り下げて分析し、授業で発表しました。個々の問題について学生からさまざまな危険が活発に飛び出すなど、学生が授業をつくりあげているという活気に満ちていて、好きな授業の一つでした。
  
  また、新聞学科外でも、興味をひかれる授業を多く受けることができました。上智の人気授業の一つであり、猪口邦子先生による「国際社会と政治」の講座は、単に受験のための暗記教科でしかなかった世界史(特に近現代史)が、こんなにもドラマティックで人間くさく、魅力的なものだったのかと気付かされ、目から鱗が落ちる思いでした。その他にも「ロシア地域研究入門」、「比較政治学」、「仏文学入門」といった他学科の授業はどれも素晴らしく思い出に残っています。



<一味違うゼミ>

  
  2年生の1年間が内容の濃いものとなったのは、何と言ってもゼミ活動のおかげです。私は藤田博司先生のゼミに入りましたが、「新聞各社の報道記事の内容 比較」、「スポーツ報道の変遷」といったテーマについて毎回4000字(400字詰原稿用紙で10枚)のレポートを提出しなくてはならず、暇さえあれば図書館で資料集めをしていました。夏休みには上級生と合同で軽井沢のゼミ合宿を実施し、先輩たちの発表を聞いたり、ディベートを体験することもできました。もちろん、厳しい勉学の後、夜は先生を囲んでの宴会が催され、ジャーナリズムの話から先生の恋愛談義にまで話が及び、楽しい思い出ができました。
  
  入学当初は学科に対して消極的だった私も、2年生でのゼミや密度の濃い学科授業を受講することによって、「ジャーナリズム」というものに少しづつ興味がわい てくるようになったのです。今では、将来マスコミ志望でいきたい、と思うようにさえなりました。新聞学科の教育目的とは、一言でまとめれば、「ジャーナリスティックな視点で物事を見つめる目を育てる」ということではないか、と個人的に思っています。新聞学は、古くから取り組まれてきた法学、経済学などと比べて歴史の積み重ねは浅いのですが、その一方で、扱う学問領域は多岐にわたります。学問の範囲を限定せずに、好きなことを好きなだけ学べるのが、新聞学科の特徴であり 、面白さの源だと思います。(2001年11月7日)


2001 copyright(c) Sophia University Department of Journalism