卒業生の声

大学生活と今

2013年度卒業 浅香 茜(製薬会社勤務)
著者近影

著者近影

はじめまして。私は史学科では日本近現代史を中心に勉強し、中でも太平洋戦争の「海外からみた特攻隊」をテーマに卒業論文を執筆いたしました。また、大学時代は文学部ではあまり多くない体育会の部員でもあり、そちらでの活動も非常に力を入れて過ごしていました。そして現在は製薬メーカーに勤め、お医者様方を相手にお薬の話をする仕事をしております。
たいしたお話ではありませんが、史学科への道を考えていらっしゃる皆様に向けて、史学科のこと、学生生活のこと、現在の仕事のことについて簡単に述べさせていただきます。

まず、なぜ史学科に入学することに決めたかと申しますと、自分の興味のあることを自分の好きなように勉強したかったから、です。大学での史学科の勉強は、中学・高校時代の「暗記」中心の勉強とは大きく異なり、ものごとを深くまで考えて、それらの繋がりを見つけていくことだと思います。史学科の卒業と言うとよく、「暗記が得意なんでしょう?」を言われますが、全くそんなことはありません。自分が興味をもって調べたことは、自然に覚えていくものだと思います。         
卒業論文のテーマである「特攻隊」は、ひとつの事象にもかかわらず日本と海外で反応が大きく異なります。文化的背景、歴史的背景、様々なものが重なりあって生まれたこの“ギャップ”の原因を、さまざまな史料を読み比べることで見つけ出してみたいと思い、卒業論文に夢中になりました。

image2

長田先生は終戦期の外交史のご専門でいらっしゃり、日本や海外の史料や報道記事の読み方について多くのアドバイスを下さりました。私ひとりでは気づけなかった重要な点のヒントを下さり、史料集収や論文の書き方で壁にぶつかった際に何度も助けていただきました。こうして、はじめは手探りで始めた卒業論文でしたが、最終的には自分でもたいへん楽しみながら完成させることができました。
また、大学時代に夢中になっていたのは史学のみではありません。部活動、というもう一つの楽しみも私にはありました。私は4年間ラクロス部に所属し、真っ黒に日焼けしながら毎朝グラウンドを駆け回っていました。試合に勝つことを目指して仲間と共に夢中になった4年間は、私にとっては非常によい思い出です。

大学時代のことはこのくらいにして、現在の私の仕事について述べさせていただきます。
冒頭でも簡単にお話させていただいた通り、現在私は製薬メーカーに勤め、お医者様方を相手にお薬の話をする仕事をしております。
4月の入社からひたすら病気のこと、薬理学のこと等を勉強し続け、先生方と最新の医薬関連の情報についてお話する。文系の私にとっては世界が180度かわったような毎日です。自分がまだ未熟なこともあり困難なことも多いですが、自分の仕事が患者様の笑顔につながっていると思えることが本当にやりがいに感じます。

大学時代に学んだ歴史の知識が活かされることはあるのか?と思われる方もいらっしゃるかとは思いますが、「歴史の知識を活かす」といった観点では、そういった機会はほぼ全くと言って良いほどありません。しかし、先生方や会社の方とお話をする際に、「大学ではどんなことを勉強していたのか?」と聞かれることはよくあります。そういった際に、自分が調べていたことについて話をするとよい話題になり、「大学時代、何かに一生懸命になっていた人は素敵だね」と言っていただけることが多くあります。
「物事について、とことん追究する」そんな経験ができた史学科での4年間を誇りに思い、いまは目の前にある仕事に夢中になっています。

皆さんの未来が輝いていることを願い、終わりとさせていただきます。最後までお読み下さいましてありがとうございました。

上へ戻る