【留学体験記】ブラジルでの留学生活

2017.07.31

国際関係論専攻には、海外にて研究を深めている院生も在籍しています。2016年に国際関係論専攻に入学し、現在ブラジルにて留学中の白石香織さんより体験記が届きましたのでご紹介します。

[国際関係論専攻 2016年度入学 白石 香織]

今年の3月より1年間、文部科学省「トビタテ!留学JAPANプログラム」メンバーとして、ブラジル・サンパウロ州に留学をしています。留学先であるカンピーナス州立大学では、サンパウロ州における「人の移動」に関する授業を受けながら、主に州内でフィールドワークを行っています。

ここで私は、戦前にブラジルへ渡った日本人移民やその家族へのライフヒストリーの聞き取りを通し、彼らの社会階層の変化について調査をしています。ブラジルでは、19世紀末まで行われていた奴隷制の名残から、肌の色に基づいた階層社会が格差社会へと結び付き、犯罪に繋がるという状態が続いています。しかし、今よりも白人優位主義の思想が強く存在していた20世紀のブラジルにおいて、農業移民として渡った日本人移民は、戦後その社会で顕著な社会上昇を見せました。戦後、ブラジルの大学に入るためには「日系人を一人殺さなくてはならない」と言われたほどでしたが、実際に聞き取りをする中でも、彼らの二世、三世が弁護士や医者、教師になっている例が少なくなかったことには驚きました。普段の生活の中で、街中や移動中のバスの中で、初対面のブラジル人、それも肌の色が暗い人からは特に「日本人はすごい」と言われることがよくあります。こうした日本人の移民大国ブラジルにおける特殊性は、それが国策だったことに起因している、と、以前所属しているゼミの方から聞きました。これは、ブラジルにいるからこそ得ることができた視点だと思った瞬間でした。

普段の授業においては、言語や研究計画の書き方などの方法論、文化の面で日本とは大きく異なり、自分が思っている以上に説明をしなくては伝わらないということに苦労しています。しかし、クラスの学生の意見や考え方は研究を進める上でとてもいい刺激になっています。こうした周りの学生たちと切磋琢磨できる環境の中で、ブラジルでしか得られない知識や経験を得、より広い視点から自分の研究を捉えられる様になりたいと思います。

 

卵まつり

日系人の養鶏産業で支える、元国策移住地バストス市の「卵まつり」の様子 

 

筆者➃

ゼミで訪れた移民博物館にて