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進路

  • 途上国援助など国際貢献がしたい
  • 専攻語や英語を活かした
    仕事がしたい
  • 中高の先生になりたい
  • 正直、何したいかなんて
    まだぜんぜんわかんないよ
  • よくわからないけど、
    ワークライフバランス大事!
  • 専門分野の研究者になりたい

大学入学時点で将来の目標が明確な人はごくわずかに過ぎない。「将来の目標が明確」とは、その目標の具体像と、そこへ到達するための道筋が明らかな場合をいう。大学に入学してすぐ、「私は〜になりたいです」と明言できる必要などない。そもそも、大学に入学してすぐに卒業後の進路を考えることには違和感も覚えるだろう。基本的には、4年間の大学生活に集中し、この大学・学部でしかできない勉強や経験を積み重ねてほしい。ただ、ここに至る人生のタイムスパン全体の中で捉えるなら、この4年間が「その先」の進路を徐々に考え始める時間であることも否定できない。「自分は何がしたいのか」「自分に何ができるのか」「どんな人生を送りたいのか」「働くというのはどういうことか」などについて考えつつ、卒業後の進路を模索しながら過ごすことで、4年間がより充実した時間になりうる。公務員や教員になろうとするなら、早くからそれを見据えた計画を立てる必要もある。そこでここでは、卒業後の進路を「一般企業への就職」「公務員になる」「中高の教員になる」「大学院に進学する」という4つに絞って大まかな見取り図を示したい。

(1)一般企業への就職

1年次〜:準備

複数の言語の運用能力を高めよう

専攻語と英語(英語学科の場合は英語以外にもう一つの外国語)の高い運用能力は、一般企業への就職に際して大きな武器になる。人によっては三つ目の外国語の習得を目指してもいいだろう。特に近年ビジネスで重視される傾向のある中国語やロシア語、イスパニア語といった言語の習得は大きな付加価値を生む。言語の習得は一朝一夕にはできない。1年次からこの点で高い意識を持って勉強に励むことを勧める。

外国語に関わる資格を取得しよう

志望先の業界によっては外国語の資格(スコア)が大きな意味を持つ場合もある。各専攻語の検定試験について、どういう試験があるのか、自分が受験するにふさわしいレベルはどれくらいかなどを、まず所属学科の教員や一般外国語の担当教員にたずねてみよう。

留学は就活時期を念頭に考えよう

長期・短期など、どのような留学がしたいのかを考え、留学時期と就職活動の時期、卒業の時期について長期計画を立てよう。

3年次〜:本格的な就活の開始

①大学キャリアセンターが主催する「総合就職ガイダンス」に出席

②自己分析と企業研究

自分に合った仕事、やりたいことができる業界を見定めていく。

a.自己分析
「合う仕事」「つきたい職業」を模索しながら、長所・短所、好き・嫌い、関心、人生観などを過去の経験を踏まえてできる限り把握し、「自分」について知っていくプロセス。OB・OG訪問を活用したり、友人や親、先生などと話して、「外から見た自分」について知ることも重要。

b.業界研究
無数の選択肢から自分に合う企業を見つけるには、自己分析とともに業界研究・企業研究が必要だ。業界研究・企業研究には『会社四季報』『会社四季報女子版』などが役立つ。『日本経済新聞』や一般紙の経済面、『週刊東洋経済』などの経済誌に目を通しておくこともよい。キャリアセンターが開催するさまざまなガイダンスやセミナー(後述)、インターン、OB・OG訪問を活用することも有用である。

③インターンシップ

企業・公官庁での学生の職場体験を指す。同時に企業の宣伝という面もある。人気の企業には応募者が殺到し、本採用よりインターンに採用されるほうが難関ということもある。インターンシップを選考過程に取り入れている企業もある。

④TOEIC受験

義務ではないが、ビジネス英語は社会人の基本的スキルの1つだ。時間的余裕のあるうちにTOEICを受験してスコアをとっておこう。企業によっては TOEICのスコアを選考の際の参考・基準にしているところもある。

⑤エントリー

関心のある企業に自分の情報、自己PRや志望動機、アンケートなどを送り、「その企業に興味がある」ことを意思表示する。エントリーの締め切りは企業によって異なるが、エントリーするとその企業から資料やセミナーの日程を知らせるメールなどが届く。

⑥説明会

選考とは無関係の業界研究イベント(オープンセミナー)と採用に関わる説明会(採用セミナー)がある。採用セミナーは出席しないとその会社の選考を受けられないことも多く、これが選考の第一歩になる。セミナー後に適性検査・筆記試験・面接が実施されるケースもある。

⑦エントリーシート(ES)

エントリーシート(ES)は選考試験の受験を決めた企業に提出する。企業によってはESを一次選考にするケースがあり、これをパスしないと次の選考に進めない。ESでとくに重要なのは自己PRと志望動機だ。ESは、「日経就職NAVI」「マイナビ」「リクナビ」などの就職サイトや企業ホームページから入手するか、セミナー等で企業から直接配布される場合もある。提出は、Web入力と紙媒体での方法がある。

⑧面接・採用試験

選考にあたって、一次面接から最終面接まで、個人面接と集団面接(グループディスカッションGD)を含めて、通常3~4回の面接が行われる。一般教養試験・SPI(適性試験)・Webテストなどが選考の初期に課されることも多い。業種によるが、内々定が出るのはおおむね4年次の春以降になる。

特に3年次以降は、以上のスケジュールを把握しておくことが就職活動のためには重要だが、1年次から、4年間の勉強や留学について計画を立てる際に念頭においておく必要もあるだろう。

キャリアセンター(2号館1階)では前述のガイダンスやセミナー以外にも、就職に関する質問、相談を随時受け付けている。詳しくはLOYOLAのWEBキャリアセンターを参照すること。

(2)公務員になる

国家公務員総合職や語学職(外務省や防衛省の専門職など)には海外留学や海外勤務のチャンスもある。国家公務員セミナー・見学会などの案内は、各省庁のホームページで公表され、1年生から参加できる場合もある。国家公務員には、一般に知られていない非常に多くの職種があるため、人事院の「国家公務員試験採用情報NAVI」を見てみよう。

公務員採用試験では、一般教養試験と行政・法律・経済などの専門試験を行うのが一般的だ。各省庁・人事院・都道府県庁・市町村役場の採用ページを見てみよう。特に国家公務員総合職などは試験突破のための専門学校に通っているライバルも多くハードルは高い。早くから情報を集め始める必要がある。

(3)中学校・高校の教員になる

教職課程科目の履修やスケジュール等の詳細については『履修要覧(課程編)』を熟読したうえで説明会に参加し、さらに不明な点については課程センターに相談すること。教員採用に関しては、課程センターの他キャリアセンターも相談に乗ってくれるだろう。

外国語学部生は専攻語や専攻語以外の言語(英独仏西露葡語)の中・高の教職免許を取得できる(西露葡語は高校のみ)。

スケジュール

教職志望者は、課程センターが実施する教職課程説明会に出席するところから始める。2年次以降に履修を開始することもできるが、特に初習言語(独仏西露葡)の学科生で英語の教職免許取得を希望する者は、専攻語の教職免許を取得しなければ英語の取得もできないため、修得すべき科目数が必然的に増えるということを念頭に、できる限り早く履修を始める方がよい。

1年次4月上旬

教職課程説明会(1年次から履修する者対象)

1年次9月

教職課程1年次生・新規履修者ガイダンス
→1年次9月 教職課程新規履修者履修申し込み(1年次生)

1年次3月末

教職課程在校生新規履修者ガイダンス(2年次から履修する者対象)
→2年次4月 教職課程履修申し込み(2年次以上)

*免許取得には「介護等体験」「教育実習」が必要であり、それぞれ実施時期が決まっている。
説明会に出席し、課程センターに問い合わせるなどして念入りに計画を練る必要がある。

留学との関係

一つの言語を中学生や高校生に教える立場に立とうとするなら、やはりその言語が使用されている地域で学習・生活した経験は大きい。教職免許取得には通常より多くの単位修得が求められるが、教職課程科目の一部は留学単位換算の対象にもなっている(課程センターに確認すること)。1年の長期留学でなくても、教育実習などの時期も考慮しつつ、半期や1ヶ月の短期留学を活用することを考えてはどうだろう。留学の詳細は、グローバル教育センター発行の「留学ハンドブック」を参照。

サポート体制

課程センターは定期的に説明会を開くほか、随時質問にも応じている。センターに積極的に相談に行くこと。また教員として就職活動する際は、キャリアセンターが相談を受け付けている。キャリアセンター主催の教職志望者向けのセミナー「教員研究シリーズ」にも参加しよう。また各学科には教職担当の教員がいる。専攻語に関わる相談は担当教員に質問するとよい。

教員採用試験

赴任校決定までは4年次の丸1年を要す

公立学校

各自治体教育委員会実施の教員採用試験受験
→合格者は採用候補者名簿に登録
→学校が欠員に応じて名簿から選び、面談など所定の手続を経て採用へ

私立学校

原則として各自で調査する必要がある。キャリアセンターに求人情報が出ることもある。また東京都や静岡県、愛知県他では「私学教員適性検査」を実施、成績順に「受験者名簿」に記載され、各学校はその名簿から採用予定者を選ぶ。

(4)大学院に進学する

「国連関連機関で働きたい」「国際協力や国際交流に関わりたい」という希望もあるだろう。確かに本学部で獲得した外国語の実践的な運用能力は、こうした進路には重要な能力だが、一般的には社会科学系の専門分野について修士号以上の学位をもっていないと応募条件すら満たさない場合がほとんどで、学部を卒業してすぐにそうした機関で働くことは非現実的だ。こうした進路希望を持つ者は大学院への進学が必須となる。

他方、外国語学部で学ぶことのできる人文科学・社会科学の諸分野について、さらに自身の専門研究を進めたいと考えた場合にも、大学院への進学が視野に入ってくる。

外国語学部からの大学院進学者の専攻は、文学・言語学・地域研究・国際関係論などが中心だが、政治学、法学、歴史学、経済学、経営学などの専攻に進学する学生もいる。進学先としては、上智大学大学院のほか、東京大学、東京外国語大学、一橋大学、慶應義塾大学、早稲田大学などの大学院が一般的だろう。英語を含む二つ以上の言語の高い運用能力はこうした進学に有利に働くが、この力を使って海外の大学院へ進学することも考えてみよう。進学希望者は、なるべく早めに教員に相談して適切なアドバイスや指導を受けよう。

参考:キャリアセンター「就職支援プログラム」(ガイダンス、セミナー)

総合就職ガイダンス、合同企業研究会、業界研究シリーズ、職業研究「卒業生アドバイス」シリーズ、マスコミ研究シリーズ、採用試験対策シリーズ、内定者による就職活動アドバイスシリーズ、技術系就職シリーズ、公務員研究シリーズ、教員研究シリーズ、国際派就職シリーズ

→各プログラムの詳細はLoyola「就職・キャリア支援」機能の「ガイダンス参照」で確認すること