五感で何を味わうか?―ウズベキスタン留学記

Assalomu alaykum!(ウズベク語でこんにちは)。ウズベキスタン共和国の首都に位置するタシケント国立東洋学大学に留学していた、ロシア語学科3年の志田奏人です。本来ならば10か月の滞在予定でしたが、新型コロナウィルス感染拡大により早期帰国となりました。1か月半、五感で感じたウズベキスタン留学事情をたっぷりとお届けします。

~聴覚~

さて、このブログを書くのに私はロシア語を一切使っていません。もちろんウズベキスタンの公用語はウズベク語のみです。しかしながらソ連の構成国として長らく存在していたので、ロシア語も広く通じます。周りの人が何語で話しているのか、ぜひ耳を澄ましてみてください。

※そんなこんなでタシケントではウズベク語、ロシア語双方を学ぶことになります。しかしながら授業は少人数制(年によって変わるようですが…)のため、初修言語であるウズベク語も質問し放題。ロシア語も同じく少人数制、こんなにお得なことはありません!さらに東洋学大学という名前の通り他にも様々なアジア地域研究をすることができます。ちなみに私はロシア語で「アラブ語圏の演劇理論」という授業を聴講しました。他にも国際組織や経済といったような幅広い分野を学習できます。

~嗅覚・味覚~

シルクロードの交易地として栄えたため、現在でもバザール(市場)では香辛料の売買が盛んなようです。彩り豊かなスパイスのにおいは異国情緒豊か。現地で食べる料理ではそれぞれの店で独特のスパイス調合があるのでしょうか?最高の香りで食欲をそそります…、ケバブ(Shashlik/ヒツジ肉や牛肉の串焼き)やショールヴァ(Shorva/スープのようなもの)ひとつとってみても、同じものは2つとして存在しないでしょう。

 

                         サマルカンドのバザール、色とりどりのスパイスが並ぶ

高級店から屋台まで、様々な場所でシャシュリクを味わえます!基本的に大きいので注文しすぎに注意です(笑)

 

さらに、ウズベキスタンはアジアのほぼ中心に位置しているため、ウィグル、蘭州、アフガニスタン、トルコ、ロシアなど多種多様な料理が気軽に楽しめます!特に学食ではプロフ(Palov/ウズベキスタンのチャーハンのようなもの)やラグマン(Lagman/中央アジア地域の麵料理)大人気。味は…食べてからのお楽しみです。食いしん坊には困ってしまう国でしょう、常におなかが減ります。最近では日本食も人気なので、日本食がないと辛い!という不安はありません。

学食では100円でプロフが食べられます!数量限定ですが.時間がたつと皿の下に油がたまるので早めに食べることをお勧めします。

~触覚~

ウズベキスタンの挨拶は、男性同士なら握手です。1か月半で何人と握手したでしょうか、彼らとは何故か不思議とすぐに打ち解けることができます。どう言葉に表せばよいのかわかりませんが、握手1つで心までつながってしまう、感動します。なお女性同士ならハグが挨拶になります。

話は変わりますが、ウズベキスタンは世界で二つしかない二重内陸国の一つです。内陸部の気候は1日当たりの温度差が激しいことで知られています。そのため朝学校へ行くときはコートを、昼帰宅するころになるとコートを脱いで、腕まくりをしたくなるほど汗をかくということもあります。日本ではなかなか味わえない、中央アジア地域の気候です。

~視覚~

ウズベキスタンは「青の都」と呼ばれるほど、美しい青いタイルが建物にいっぱいに施されていることが多いです。しかしそれだけではありません。年間の日照時間がロシアに比べて長いため、見上げれば高確率で真っ青な空が広がっています。またタシケントでさえも高層ビルはほとんどありません。広い空、広い車道、心が澄み渡るようです。緑も多く、寮の裏の庭ではよくバレーをして交流しました。

            寮の近くの大通り、壮観です

        サマルカンドで出会ったモスク、青の世界を感じます

 

最後に、

ウズベキスタンの人々の心はとても温かく思いやりがあります。タクシーのおじさんと、地下鉄で隣に座ったおばさんと、食堂のお姉さんと…「どこから来たの?」「何か困ってる?」で偶然始まる会話の数は数え切れません。そんな彼らと接して、皆さんはユーラシアの中心で充実した留学生活を送ることができるでしょう。

ぜひご自身の五感でウズベキスタンを体験してみてください!