【2020年度 ロシア語劇】今年度の公演を終えて

こんにちは。2020年度ロシア語劇団ТЕАТРАЛ座長の森口健人です。

今年度の外国語学部語劇祭は新型コロナウイルスの影響でオンラインでの開催となり、当劇団の公演はYouTubeでのオンデマンド配信という形となりました。公演動画は2020年12月12日に公開いたしました。皆さま、もうご覧いただけましたでしょうか。例年の観客動員数は150人前後でありますが、このブログの執筆時ですでに400回を超える視聴回数を記録しており、結果的に例年以上にたくさんの方に公演を見ていただけたこととなり、その点に関しましては大変嬉しく思います。視聴してくださった皆さまに心から感謝申し上げます。まだご覧になってない方は是非ともご覧くださいませ。

 

動画URL:https://www.youtube.com/watch?v=fy92Pb7mlTY&t=1507s

2020年は本当に大変な年でした。対面での活動は全くできず、稽古はすべてzoomでやらざるを得ない状況で非常に苦労しました。このような厳しい状況の中、今年度もご指導いただいた先生方に心より御礼申し上げます。また、作品を作り上げるために全力を尽くした団員たちにも感謝の気持ちでいっぱいです。

2020年は我々にとって挑戦の年でもありました。コロナ禍で例年のような対面での公演ができなくなり、新たな上演方法を模索していく中で、最終的に「朗読劇×イラスト」という上演方法に行き着きました。これはТЕАТРАЛ史上初の試みでしたので、初めは何もかもが手探りの状態でした。前例のない挑戦だったからこそ、団員同士で話し合い、意見交換する機会が例年以上に多く、みんなで知恵を絞って作品を仕上げたという印象が強いです。今年度のような難しい状況下でも新たなスタイルを見出し、公演を継続できたことに大きな意義があると思いますし、我々全員にとって良い経験となりました。

 

イラスト制作の様子

さて、今年度の演目はミハイル・クズミンの『メリーの火曜日』でしたが、ご覧くださった皆さま、いかがでしたでしょうか。もしかしたらやや難解だったかもしれません。我々も作品の解釈に非常に苦労しました。顧問の村田真一先生が解説してくださったおかげで、作品理解は深まりましたが、それでもすべてを理解したとは言い難いところです。この作品のプロットは貴婦人と若い男とパイロットの恋愛模様ですが、描かれているのはそれだけではありません。この作品が書かれた1920年代初頭のロシア社会や時代の変化が様々な人物の視点から描かれていると思われます。これらを踏まえると、それぞれの台詞の意味などが少しはわかるかもしれません。

例年にも増して難しい作品でしたが、詩劇ということもあり、朗読劇という上演スタイルには適していたのではないかと思います。ロシア語の詩のリズムや脚韻の響きなどを観客の皆さまに味わっていただければ幸いです。

 

劇のワンシーン

私個人といたしましては、もう卒業ですのでТЕАТРАЛでの活動も今年度が最後でした。4年間の活動を通して様々な貴重な経験させていいただけましたし、素敵な出会いもたくさんありましたし、思い出もたくさん作れました。入団して本当に良かったと改めて感じております。今後も世代交代を繰り返しながらТЕАТРАЛはさらに発展していくと期待しております。今は観客席から後輩たちの勇姿を見届ける日が来るのが楽しみです。そのためにも早くコロナ禍がおさまって、劇場に戻れることを願うばかりです。

最後に、繰り返しになりますが、公演動画を視聴してくださった皆さま、誠にありがとうございました。今後ともロシア語劇団ТЕАТРАЛをよろしくお願いいたします。