留学で学んだドイツ語以外のこと

野平美桜

Hallo!
こんにちは、野平美桜です!

私はドイツ南部、フランスとスイスとの国境付近に位置する、フライブルクという町に留学しています。期間は在外履修と交換留学合わせて1年間です。帰国の日が迫りつつあるなか、未練も後悔も残さないように一日一日を大事にしています。

DSC_4297

フライブルク大学

今回、私がこれまでの留学を通して経験したことを共有できたらと思います。テーマは「時間」についてです。

留学期間は1年間です。必ず終わりがあります。拡大して考えてみると、私たちの人生にも限りがあります。留学で学べることは語学や異文化、専門分野についてだけではありません。私たちがこれから生きていく中でとても役に立つことも学ぶことができるのです。

「時間」に関して、大きく分けて二つお話ししたいと思います。まずは、「今が大事だ」ということ、そして「時間をきちんと管理する」ことです。

 

留学してみて驚いたことの一つに、日本にいるときと比べてとても授業が少ないということがありました。特に私が所属するドイツ語学科は必修授業が多いので、その差は歴然としています。毎日学校の勉強に追われていた日々が信じられないほどでした。

では私は留学中にあまり学べなかったのかというと、決してそうではありません。確かに授業が減って、学術的には日本にいたときほど成長していないと思います。けれども、私は違う面で特に大きく成長しました。「自分自身を作って磨いた」のです。
日本で忙しい生活を送っていた分、自分を見つめ、まるで一対一で対話するかのように自分と真剣に向き合う時間が本当に少なかったです。でも、留学をすることで状況が一変し、自分を研究する時間を多く持てるようになりました。自分の性格や長所短所、好み、癖、思考、将来の夢まで、自分のことについて深く顧みるようになりました。そして、どうしたらもっと素敵で立派な人間になれるのかを考え、悪いところを直し、良いところを磨いてさらに伸ばしました。

留学中だったからこそできたことでした。日本にいるときより一人で過ごす時間が増えたことが、自分と向き合うきっかけになりました。しかし、自分を作ることは簡単ではありません。自分の短所と真正面から向き合わなければならないからです。また、はじめてやることはなかなか上手くいかないことが多く、時間が必要です。留学して授業が減り、時間に余裕ができたから、自分磨きに挑戦することができました。
もちろんドイツに留学しているのだから、ドイツ語やドイツについても一生懸命学びました。でもそれだけで終わらせないで、生活の変化に合わせて日本ではできなかったことにも積極的に取り組んだのです。今がどんな状況・環境かを考え、その時にしかできないことを探して挑戦しました。そして「今が大事だ」と考えるようになりました。その都度できることが異なるだけでなく、機会を逃すとあとでやるのは難しいからです。

DSC_5697

フライブルクの夕焼け

また、あるトラブルを通して「時間をきちんと管理すること」の大切さを改めて実感するようになりました。

ドイツ語学科の在外履修は半年間で、1年間留学するには交換留学も併せて申請する必要があります。つまり、在外履修と交換留学の2つの制度を利用しなければならないのです。私は交換留学も引き続き同じ留学先を選んだので、交換留学の申し込みを留学先の担当者と相談して簡略化して行いました。しかしながら、実はこの手続きがきちんと留学先の大学で処理されていなかったのです。本来なら今年の2月までには今学期の手続きに関するメールが届くはずでしたが、3月になっても一向に届きませんでした。他の交換留学生に確認してみたところ、なんと1月終わり頃に既にメールが来ていたという事実が明らかになりました。急いでフライブルク大学に連絡すると次のように返ってきました。

「あなたは2017年秋学期しか留学生として登録されていません」

これを読んだ瞬間、目の前が真っ暗になりました。私はこのまま帰国しなければならないのかと、大きな不安に襲われました。
留学の申請が受理されていないため春学期の授業が取れないどころか、今住んでいる寮も3月末までの契約となっていたからです。私の留学先であるフライブルクは深刻な住宅不足の問題を抱えていて、留学生も寮を探すに苦労することが多いです。交換留学生はフライブルク大学が斡旋してくれるためあまりそういうことは起きませんが、大学を経由せず自力で留学する人たちは本当に大変だとよく耳にします。だから問題が判明した3月に、4月から入れる寮を見つけることは叶わぬ夢のようなことでした。
結論から言うとフライブルク大学側の見落としが主な原因だったのですが、私にも少なからず責任がありました。留学して最初に渡された書類に、次の学期の手続き締切日が書かれていたのです。だから、その記載された2月の締切日より前にフライブルク大学に確認するべきでした。留学の手続きはほとんど全てメールで行われているために、書類に対して気の緩みが出てしまったのです。

締切日などの「時間をきちんと管理すること」の大切さを痛みと共に強く実感させられました。また、「確認する」ことの重要性も改めて認識しました。
幸いなことになんとかこの問題を解決して、今は同じ寮に住みながら学校に通っています。

 

時間をきちんと管理できなければ、その時にすべきことだけでなく、その時にしかできないこともできません。まだまだ足りない私ですが、それでも留学を通して確実に成長していると実感しています。残りの留学期間、今しかできないことをたくさん見つけて行って、もっともっと成長していきたいです。

_20180505_204419

フライブルクの時計台