フランスにふれる! ~リヨンの留学生活~

金 惟娟

  こんにちは!フランス語学科4年生の金 ゆよんと申します。ここでは私の留学生活をご紹介します。

LYON
 私は現在フランス第二の都市と呼ばれるリヨンという都市で暮らしています。リヨンにはローヌ川とソーヌ川という二つの大きな川が流れており、ローマ劇場の遺跡、ノートルダム聖堂や市庁舎など中世~ルネッサンス時代の歴史的な建造物が現存する旧市街は1998年世界遺産の文化遺産に登録されている、非常に美しい町です。

写真は朝8時の景色ですが、夜には街灯の灯りと 車のライトでさらに美しくライトアップされ、また違った印象になります。

写真は朝8時の景色ですが、夜には街灯の灯りと車のライトでさらに美しくライトアップされ、また違った印象になります。

 中世より「絹の町」として知られたリヨンは、また「美食の町」でもあります。高級なレストランから庶民的なレストランまで充実しているので、街歩きもとても楽しいと思います。
 また適度に栄えていて、人も優しく、比較的治安が良いため生活するには最適の町だと思います。もちろん最低限の注意は必要ですが、一度も盗難に遭う事も危険な思いをする事も無く過ごす事ができました。パリのように華やかな観光スポットはあまりありませんが、いつもピリピリ気を張って言われる生活しないで良いという点は、とても気に入っています。

学校生活
 私は昨年10月より現在までリヨン・カトリック大学付属の語学学校(ILCF/ Institut de Langue et de Culture Françaises)に通っています。この学校ではまずクラス分けテストが行われ、自分のレベルに合った授業を受けることになります。語学の授業は週に4日、一日4時間行われ、その中でCompréhension Orale(聴解), Compréhension Ecrite(読解), Production Orale(口述), Production Ecrite(作文)の4技能を重点的に鍛えています。 授業でもテストでも、明瞭で論理的な解答や自分自身の言葉で表現することなどが強く求められるので、文法構造の正しさに注意するのも大切ですが、まずは自分の意思を明確に示し流暢ではなくても文章をつなげていく事がとても重要です。他には、TCFやDELFを受験する事で、自分のフランス語力が伸びているかを客観的にチェックしていました。ILCFが受験会場になっているので、事務局で申し込みをすれば簡単に受験できるので便利です。また世界各国からの留学生との交流は、新しく知る事も多く自分の勉強にもなるので、積極的にコミュニケーションをとるとさらに学校生活が充実すると思います。
 学校生活以外の勉強のひとつとして、私は良く、電車やカフェなどでおしゃべり好きなフランス人の会話に耳をそばだてています。もちろん盗み聞きをしようとしているのではなく、彼らの自然な会話を聞き取る事を心がけているのです。勉強した単語や表現がでてくるととても楽しく印象にも残るので、フランス語のシャワーを浴びられるとても良い機会になっています。

ILCFの学生たちと市内にある公園(Le parc de la tête d’or) で、 食べ物と飲み物を持ち寄ってピクニックをした際の写真です。この公園は無料で入る事ができ、園内も綺麗に整備されていて見所もたくさんあるので機会があったらぜひ行ってみてください。

ILCFの学生たちと市内にある公園(Le parc de la tête d’or) で、食べ物と飲み物を持ち寄ってピクニックをした際の写真です。この公園は無料で入る事ができ、園内も綺麗に整備されていて見所もたくさんあるので機会があったらぜひ行ってみてください。

寮生活
 私は30歳までの男女が入居する事ができる寮で生活しています。部屋は一人部屋で家具・冷蔵庫・バス・トイレ付、食事は義務制で月々130€、共同キッチンが各階にあります。駅からとても近く、寮の周囲には郵便局や薬局、スーパー、美味しいパン屋さんなど生活に必要なものも揃っています。と、ここまではとても条件が良い寮のように思われるかもしれませんが、有料にも関わらずWIFIの接続が大変悪いので、日本へ電話をかけたい時や調べものをする時は本当に不便です。したがって皆さんが住居を決める際にはネット環境を事前に確認されることを強くおすすめします。とは言えフランス語話者とも簡単に交流できる環境でもあります。キッチンで料理を分け合ったり、課題の添削をお願いしたりと楽しく過ごしています。

旅行
 フランスに留学したら、フランスだけではなく周辺にも魅力的な国が沢山あるので、旅行を考えている方もいらっしゃるでしょう。リヨンには空港、TGVと長距離バスの発着場所が完備されているので、国内、国外を問わず旅行をするのに大変便利です。初めての土地ではたいていトラブルがつきものですが、それも含めてヨーロッパを旅行する事はとても楽しいです。私はこの8か月間で10か国ほどを旅しましたが、困っていると助けてくれる人など行く先々で出会う人々に恵まれたため、幸運にもいやな思いをする事はありませんでした。またこれまで間接的に学んできた歴史について、それらの国で実際に見て学ぶ事ができる機会でもあります。世界遺産や美術館、資料館、教会などを訪れる事は、ヨーロッパの歴史をより深く理解する手助けになります。私の場合は、ナチスドイツによるホロコーストについて、アウシュヴィッツ(オシフィエンチム)収容所に直接行って学ばなければならないと考えていたので、じっくりと時間をかけて博物館や保存された建造物を見学しました。さらにその次に旅行をしたブダペストにもシナゴーグと博物館がありました。三ヶ国目はアムステルダムだったのですが、有名なアンネ・フランクの家と、ブダペストと同様にシナゴーグと博物館があり、ユダヤ人の迫害の歴史について体系的に学ぶ事ができました。それぞれの国のゲットーの跡地を歩く事で当時の生活の様子を垣間見る事ができましたが、そのうちの一ヶ国だけではより深い理解は得られなかったと思います。時間や予算の問題もありますが、ぜひ自分が関心を持つ国や地域には、実際に旅行される事をおすすめします。

最後に
 留学については様々な見方がありますが、私は8ヶ月という短い期間でもフランスへの留学を決意して本当に良かったと実感しています。もちろんフランスが抱えている問題や矛盾、課題は多々ありますが、実際にフランスに住み学んだからこそ、さらにフランスに魅了されました。そしてまた必ずフランスに戻ってきたい、将来的にはフランス語を生かせる職業につきたいと考えるようになりました。しかし一所懸命に学び、意識的に自ら取り組まなければ時間はすぐに過ぎ去ってしまいます。貴重な時間をただ過ごしただけにならないように、どの地にいても一所懸命に学び充実した学生生活を送れるよう頑張っていきたいと思います。