エクス=マルセイユ大学

 わたしは、南フランスのプロヴァンスにある、エクスマルセイユ大学に留学しました。この大学はキャンパスがたくさんあります。バスで20分ほどのマルセイユに理系のキャンパスがあり、エクスアンプロヴァンスに文系のキャンパスがあります。わたしは後者のキャンパスで学びました。

法学部の建物

 エクスは、法学部がとても強い大学です。パリなど遠方からわざわざ法律を勉強しにエクスに来ている学生にも出会いました。また、法学部に所属する留学生は英語での授業があり、留学生を受け入れやすい体勢を整えているようです。

わたしが所属していたのは、文学部です。英語の授業はなく、全てフランス語で行われました。授業は5つまで選択することができます。留学生用のフランス語の授業と、フランスの文化を学べる授業、そして自分の興味に合わせて一般の現地学生に混じって受ける授業を選ぶことができます。また、上智とエクスの交換留学の条件として、エクスの日本語学科の授業を受ける必要があります。この授業は、日本語で書かれている本をフランス語に翻訳するものでした。

マルセイユの街

 留学生用の授業や、日本語学科の授業はともかく、現地の学生とともに受ける授業はとても難しかったです。実際に内容的にはついていけないものではありませんが、先生の話すスピードや使う単語になれるのには時間がかかりました。わたしは、出来るだけ前の席に座り、授業を録音していましたが、3時間の授業をもう一度聞きなおすことは簡単ではありません。わたしが一番効率的だと感じたのは、クラスの人に話しかけてノートをもらうことです。現地学生は多くの人がパソコンでノートを取ります。相手の連絡先を教えてもらい、ノートを送ってもらうように頼んでいました。また、先生に直接、自分が留学生であることを伝えたり、出来るだけ少人数のクラスを選んだりしました。エクスは留学生が多い大学なので、クラスに留学生がいる場合もあります。そうすると一緒に励ましあって頑張ることができました。

わたしの寮から見える風景。サントヴィクトワールという山が見えます。

 わたしのフランスでの学校生活は、とても恵まれていました。多くの知り合い、友人を作れたことに感謝しています。大学にはフランス人だけではなく、ヨーロッパ、中東、アフリカから多くの学生が来ています。フランス出身だと思っていた友達が中東や他のヨーロッパの国から来た学生だったことも何度かありました。日本ではなかなか体験できないことなので、自分から積極的に話しかけることで、自分の世界が広がるかもしれません。日本で私たちが外国人に完璧な日本語を話すことを期待していないのと同様に、彼らも私たちのフランス語の間違いやアクセントをそんなに気にしていません。言葉の練習のために友達を作りたいというよりも、出会う人、一人一人に興味を持って接するととてもいい関係が築けることを学びました。