フランス語劇公演を終えて

渡辺 裕也

 7月4日に僕たちの劇団「ラ・コンジェール」は旗揚げ公演『8人の女たち』を行いました。アクシデントもあり、大成功だったとは言えない出来ではありましたが、多くの方が観に来てくださり、たくさんのお褒めの言葉を頂きました。

Image-6 

 フランス語劇という僕たちにとって初の試みを終えた今、この公演までを振り返ってみたいと思います。
 先生方からの提案で発足した当サークルでは、まずメンバー集めにかなり苦戦しました。どうにか集めたメンバーの中にはモチベーションの差もあり、最初の方の練習は決していい雰囲気だと言える状況ではありませんでした。しかし、練習を重ね、本番が近づくにつれて、だんだんにそれぞれが積極的になり、練習の中でもっとこうした方が良いのではという建設的な意見も活発に出てきて、いい雰囲気で練習ができるようになりました。
 学生同士なのでぶつかり合うこともあり、正直辛いと思う時もありましたが、練習は楽しく、本番が終わった後の達成感はその分とても大きなものでした。メンバーそれぞれがかなり忙しく、練習ができるのは放課後だけというタイトなスケジュールでしたが、大学生になってここまで熱中してみんなで取り組めるものに出会えたことは大きな財産になると思っています。

 次に、フランス語劇とフランス語の関係について考えてみます。まず第一の利点は、当然ですが、フランス語を使えるということです。特にこのサイトをご覧の皆さんはフランス語を学んでいる人、学ぼうと思っている人ではないでしょうか。フランス語を学習する以上、せっかく学んだフランス語を活かす機会があることがどれほど貴重なことかおわかりになるかと思います。僕にとっては、語劇に参加したことはまさにその機会であり、同時に自分のフランス語の力を伸ばす機会にもなりました。セリフはフランス語のみですから、日本語字幕を用意しましたが、本来のフランス語自体が伝わるものでなければ意味がないので、発音には特に注意して練習しました。もちろん発音は言語を習得する上で重要な要素で、微妙な発音の違いで意味が変わってしまうこともあります。劇である程度まとまった量の文を発音に気をつけて読むことは良い練習になり、以前よりも発音を常に意識するようになりました。また、セリフのひとつひとつについて文の構造や単語を把握し、理解した上でないと暗記できませんから、そこに出て来た表現は深く記憶に残ります。上演の後、授業中や、映画を見たときなどに同じ表現が使われているとしばしば気づき、その度にとても嬉しくなりました。こういった瞬間こそ学ぶことの醍醐味だと思います。皆さんにも、ぜひこの感覚を感じて欲しいです。

 僕は秋から留学の予定で、次の公演には参加できません。現在、これから活動してくれるメンバーを募集しています。もしご興味がおありの方がいらっしゃいましたらemail hidden; JavaScript is required にご連絡ください。新たなメンバーによる次回の公演に期待しています。

 顧問の高橋先生、発音指導をして下さったクショー先生、テュシェ先生、モンフォール先生、脚本作成に協力して下さった原田先生、広報に協力して下さった福崎先生など、多くの方々の支えがあったからこそ公演まで辿り着くことが出来ました。この場をお借りして改めてお礼申し上げます。ありがとうございました。

上演のビデオ録画はこちらで見られます。

スクリーンショット 2018-06-29 21.22.57