Faculty Study Recommendations (Part I)

To All of Our Students,

While we are away from class, our faculty members have put together a list of favorite materials that can help you continue to study. These include scholarly works related directly to their specialty, readings that might interest you, as well as favorite films, documentaries, books and shorter pieces of writing. We will publish these recommendations each week, so please check back every Friday.

 

和泉伸一 お薦めの本

『第2言語習得と母語習得から「言葉の学び」を考える~より良い英語学習と英語教育へのヒント~』 和泉伸一著 アルク 2016

本書は言葉の学びとは本来どういうものであるのかということを、母語習得と第2言語習得(多くの日本人にとっては英語学習)の観点からデータを見ながら読者と一緒に考えていくようになっている。これまでの固定観念を破り、新たな視点で英語学習、そして英語教育について考えてもらえるきっかけとしていただきたい。毎年春学期と秋学期に開講するSecond Language Acquisition 1 & 2のための入門書としても読める。

Lightbown, P., & Spada, N. (2013). How languages are learned.  4th edition. New York: Oxford University Press.

英書であるが、初心者や英語を母語としない人にも読みやすく書かれた第二言語習得研究(人はどのように外国語を習得していくのか?)の入門書である。北米などの多くの大学でSecond Language Acquisitionのテキストとされており、本学でも毎年春学期と秋学期に開講するSecond Language Acquisition 1 & 2(2年生以上のためのクラス)の参考図書となっている。

『フォーカス・オン・フォームとCLILの英語授業〜生徒の主体性を伸ばす授業の提案〜』和泉伸一著 アルク 2016

本書は特に英語教育の実践的な側面に焦点を当てており、これからの英語教育のあるべき姿を考える上で、重要な指標を与えるものである。具体例を多く挙げる中で、内容豊かな英語授業とはどういったものなのか、どうしたら効果的な英語授業が展開できるのか、理論に基づいた教育実践の姿について追求している。秋学期に開講するMethodology of English Teaching Cの参考図書となっている。

 

出口真紀子 オススメの映画

映画では以下のDocumentaryをお勧めします。

(1)Miss Americana (2019)

アメリカのシンガー・ソングライターのTaylor Swiftが30歳を前に自分自身の経験からどう成長してきたかを語ります。フェミニストとして、またアメリカ国民としてトランプ政権に危機感を感じ、「芸能人は政治に口出しするな」といった風潮に対抗し、アーティストの役割とは何か、女で在ることとは何か、自分自身にauthenticで在ることは何を意味するのか、を問いかけます。Netflixで観れます。

(2)Prison Circle (2019)

日本の刑務所にカメラが入った。アメリカの刑務所で使われているカウンセリング手法を取り入れた日本唯一の刑務所(島根県)で撮影された。虐待、ネグレクト、いじめ–信頼できる大人がいない過酷な環境で育った青年たちがなぜ犯罪を犯し、刑務所に送りこまれるのか。心理プロセスへの理解が深まると同時に丁寧なカウンセリングによる更生、成長、可能性など希望も見えてくる。劇場公開中。

(3)Where to Invade Next (2015)

生きやすい社会を築く形は様々である。マイケル・ムーア監督がヨーロッパの国々を回り、「アメリカ社会より優れた側面を持ち帰ろう」という時にはユーモア、時には深刻なテーマ(教育、医療、食、更生、働き方)に迫りながら旅していく。日本社会は登場しないが、日本はどうだろうか、他国に何が学べるだろうか、という視点を持ってみると参考にもなるし、自分が築きたい日本社会を思い描くヒントになると思います。YouTube、Google Play(各300円)またはDVDでどうぞ。

(4)主戦場(2018)

なぜ日本はこれだけ従軍慰安婦の歴史をなかったことに躍起になるのか。素朴な疑問から上智大学の院生(君たちの先輩!)が修士論文を書く代わりにドキュメンタリー映画を作成したら異例の大ヒットとなった必見の作品。あいにく劇場公開は終わってしまったが、どこかで上映会がやってたり、そのうちDVDにも出るでしょう。慰安婦問題を知らない、興味ないは国際的に通用しない。日本人が歴史とどう向き合うのか、問われる作品である。

 

アメリカ・カナダ研究所所長(小塩和人)からの推奨本三冊

図書館7階に研究所があり、上智の「TSUTAYA」と呼ばれる程、DVDコレクションが充実していますので、お気軽にお立ち寄りください。以下の三冊が推奨する入門書です。

上智大学アメリカ・カナダ研究所編『北米研究入門2 「ナショナル」と向き合う』上智大学出版、2019年

本学のアメリカ・カナダ研究所が編集出版する「ナショナル」シリーズ第三弾は、現・前・元研究所関係者が執筆しています。2020年度春学期の北米入門A-1では教科書として使用する予定の本です。

上智大学アメリカ・カナダ研究所ほか編『グローバル・ヒストリーズ 「ナショナル」を越えて』上智大学出版、2018年

本学のアメリカ・カナダ研究所が編集出版する「ナショナル」シリーズ第二弾は、アメカ・イスパ・ヨーロッパ研究所などの関係者が執筆しています。2020年度秋学期のグローバルヒストリー入門の教科書です。

上智大学アメリカ・カナダ研究所編『北米研究入門 「ナショナル」を問い直す』上智大学出版、2015年

本学のアメリカ・カナダ研究所が編集出版する「ナショナル」シリーズ第一弾は、研究所の所員が執筆し、北米入門の教科書として使用してきました。『北米研究入門2』と合わせて読むことをお勧めします。

 

東郷公德(とうごう たかのり) お薦めの本

1.水野和夫著 『資本主義の終焉と歴史の危機』(集英社新書)2014年

グローバル化とは一体何なのか、この本を読むと歴史の大きな流れの中で捉え直すことが出来る。現代人必読書のひとつ。現代日本で英語を学ぶことがどういうことを意味するのかを考える上でも非常に有益です。

2. 施光恒(せてるひさ)著  『英語化は愚民化:日本の国力が地に落ちる』(集英社新書)2015年

西欧諸国が急速に発展した背景には、聖書の各国語訳が広まったことを契機に、それまでラテン語支配の下にあった各地域の人々が土着語で学び、議論し、創作出来るようになった、といういわば脱グローバル化があったのです。。英語の世界共通語化は望ましいものか、この本を読んで考えてみて下さい。

3.イ・ヨンスク著 『「国語」という思想:近代日本の言語認識』(岩波現代文庫) 2012年

我々が使っている共通日本語が如何に人工的に作られた哀れな言語であるかを、この本を読んで初めて知り、愕然としました。少々難しいかも知れませんが、日本で英語を学ぶ皆さんには是非読んでおいて欲しい一冊です。