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担当教員紹介

教授

川島緑 (かわしま・みどり)

[専門地域] 東南アジア、とくにフィリピン
[専門分野] 国際関係論、フィリピン政治、東南アジアのイスラーム、民族紛争研究
[担当科目] ■2014年度
東南アジア政治社会論、東南アジア政治文化論、特講(現代アジア社会)、演習(アジア研究E)1 2、卒業論文・卒業研究I II

■全学共通科目・外国語科目
東南アジア史入門T
[プロフィール] 子供のころ、「兼高かおる世界の旅」 (知らない人はご両親に尋ねてください) に胸をときめかせ、「旅行家」にあこがれて英語をバリバリ学んだ私は、大学では文化人類学を学びました。 大学3年のとき、返還後まもない沖縄の与那国島で、初めての現地調査を経験しました。 お金がなかったので、アルバイト代で船の片道切符を買い、島では旅館のバイトをしながら、与那国の文化について聞き取りを行う計画でした。 けれども、現実はそう都合良くはいきません。 ジャガイモや人参の皮をむいたり、ご飯を盛りつけたり (ときには、お酒を飲むと人格の変わるお客に抱きつかれたり) して日々が過ぎていきました。 しかも、聞き取りにあてようと思っていた昼下がりの時間は、島の人たちにとって貴重な休憩時間で、「調査」は全く進みません。 「一体、私はここで何をやっているのだろう?」そんな想いを抱えたある日、気晴らしに与那国島の断崖絶壁、「テンダハナ」に出かけました。 そこに立って、海岸にへばりつくように広がる集落や巨大な墓地群、その向こうに広がる東シナ海を眺めていると、「そもそも卒業論文のための資料集めなんて、島の人には迷惑千万な話。調査ができなくてもいいじゃないか。 この島で過ごすことから何か学ばせてもらえればそれで十分」という気持ちになり、スッと肩の力が抜けました。 それは1ヶ月足らずの滞在で、今から思えば「調査のまねごと」にすぎませんが、私にとって研究調査の原点といえる貴重な体験となりました。 「おじゃましてすみませんが、学ばせてください」という初心を忘れず、今後も現地の人たちと関わっていきたいと思います。  その後、民間会社勤務や国連開発計画 (UNDP) マニラ事務所勤務を経て、30を過ぎてから大学院修士課程に入学して、国際関係論を専攻し、フィリピンの民族問題や国家統合問題の研究を開始しました。 現在は、主に南部フィリピンのムスリム社会における民族・国家・イスラームの変容を研究しています。現在、一番関心のあるテーマは、自分の対象とする地域社会ににおいて、人々はどのような「公正」観念を持っていて、それが社会変革運動やそれを支える思想にどのように結びついているかという問題です。 現地体験に根ざす等身大の問題意識と、文献研究による抽象的な理論研究、そして、一次史料の厳密な解釈に基づく歴史研究はどれも重要であるという立場に立ち、それら三者の統合を目指していきたいと思います。
[主な出版物]

『マイノリティと国民国家―フィリピンのムスリム』山川出版社、2012年


「フィリピン―マイノリティ・ムスリムの政治統合問題」山影進・広瀬崇子(編)『南部アジア』世界政治叢書7 、ミネルヴァ書房、2011年

 

「1950〜60年代フィリピンのイスラーム知識人の国家観―アフマド・バシール著『フィリピン・イスラーム史』を中心に―」『東南アジア―歴史と文化』40号、2011年、5-26頁