アメリカ文学

アンソロジー・論文集

The Norton Anthology of America Literature

文学研究に定評のあるノートン社(W W Norton & Co Inc.)刊行のアメリカ文学アンソロジー。第7版は全5巻からなり、総ページ数約1万ページに及ぶ。各時代・作家ごとに簡潔なイントロダクションがあり、作品に関しては原文の抜粋(主要な作品については全文)が収録されており、作家の作品とその位置づけ、また、時代の流れを関連付けながら読むのに便利。アメリカの大学院では、博士号取得のために何か準備したければ、まずひとつ間違いがないのがこの全集の通読・精読である、とも言われるアンソロジー。

完全版(unabridged)は全5巻だが、省略版(shorter)は1巻にまとめられている。

ノートン社のHPには、ここに収められた作品の理解度を測るクイズもある。(http://www.wwnorton.com/college/english/naal7/welcome.asp

配架場所:アメリカカナダ研究所

請求記号:10-C

The Norton Anthology of America Literature

ケンブリッジ大学出版からのキーワード・人物別論文集・シリーズ。まず概括するためのスタート地点として有益かつ学問的な信頼の高い論文が多い。扱う分野は文学に留まらず、哲学や社会学、宗教など人文系の領域は網羅している。キーワードとしては「アレゴリー(Allegory)」、「アメリカ犯罪小説(American Crime Fiction)など範囲も様々で、作家も古典的な著哲学者(「アベラールPeter Abelard」)から現代のアーティスト(「ディランBob Dylan」)にまで及ぶ。上智大学図書館を通じて、Cambridge Collections Online (http://cco.cambridge.org/uid=4411/public_home)にアクセスすれば、The Cambridge Companionsの内容をPDFファイルでダウンロードすることができる。

配架場所:各巻参照

請求記号:各巻参照

文学史

平石貴樹『アメリカ文学史』

単巻ながら圧倒的な重量感のある最新のアメリカ文学史(2010年初版)。「自我」や「自己」というアメリカ文学史におけるキーコンセプトを批判的に捉えなおしながら、この文学史全体が「小説とはなにか」という問いへの著者の答えを示すものとなっている。「ポーと精神分析批評」などの特異な章立てもさることながら、現代の文学事情(「村上春樹とアメリカ文学」などの項目)も含まれている。

配架場所:アメリカカナダ研究所 & 書庫7階

請求記号:10-A 930.29:H643

渡辺利雄『講義 アメリカ文学史』(全3巻+補遺巻)

個人の手になるものとしては国内最大のアメリカ文学史(全体約2000ページ)。筆者の渡辺利雄は東京大学の名誉教授であり、本書は東大でのアメリカ文学史の講義を基にして書かれている。主要作品・研究書からの抜粋は名文集としても通じると評判がある。扱う作品や作家、思想・時代背景については、個人的な見解を示すというよりも、これまでの主要な先行研究を紹介しながら評価するというスタイルをとっているため、この重量にもかかわらず入門者にも特に薦められる。

配架場所:書庫7階

請求記号:930.29:W464k:v.1~Supple

亀井俊介『アメリカ文学史』(全3巻)

上記渡辺のものと同じく、個人が書いたものとして定評のあるアメリカ文学史。渡辺とは違い、原文の引用は限られているが、当時の文化的な背景に関してはこちらのほうが詳しい。本著者は、夏目漱石の研究者としても知られる。

配架場所:アメリカカナダ研究所 & 学部(地下2階)

請求記号:10-A 930.29:Ka343:v.1~v.3

少し古いが、信頼できるものとしては…

研究社『総説アメリカ文学史』(本編+資料編)

全5章からなり、各章もその分野の専門家が複数で共同執筆した内容の濃い文学史。一冊本のアメリカ文学史としては定評がある基本書で、別冊の資料編の年表も便利。

配架場所:アメリカカナダ研究所 & 学部(地下2階)

請求記号:10-A 930.29:O289s:v.1(本編)、v.2(資料編)

福田陸太郎編著『アメリカ文学思潮史―社会と文学』

それぞれの時代において主流となった思想をたどる際に参考にしたい一冊。文学作品そのものよりも、作品を読む上で知っておくべき概念や時代背景の解説が豊富。特に初期植民地から19世紀ごろまでの思想史を学ぶ上で参考になる部分が多い。初版は中教出版から出たものだが、沖積舎から出た増補版がお薦め。

配架場所:学部(地下2階)(初版はアメリカカナダ研究所にも所蔵)

請求番号:930.29:F746:1999

全集

「アメリカ文学ライブラリー」(全16巻)

米国のグリーンウッド出版グループ(Greenwood Publishing Group)、及び、ガーランド出版(Garland Publishing)刊行の学術的な作家事典集。第1巻(ナサニエル・ホーソーン)に始まり、2010年までに13冊が邦訳されている。東京大学名誉教授・大橋健三郎も推薦。レファレンスとして信頼できる。監修は前田絢子(フェリス女学院大学教授)、荒このみ(東京外国語大学教授)。

配架場所:書庫7階

請求記号:一箇所にまとめられていないため、各巻参照のこと

少し古いものとしては…

「アメリカ古典文庫」(全23巻)

研究社刊行の古典シリーズ。アメリカの思想、文化背景を知る上で重要な著述家の作品をまとめたもの。いわゆる作品概要を記載しているのではなく、第一次資料としての作品(全文、もしくは抜粋)を翻訳で読めるという利点がある。各巻頭に収録されたイントロダクションも便利。

配架場所:アメリカカナダ研究所 & 学部(地下1階)

請求記号:10-C 253:A444:v.1~v.23

「20世紀英米文学案内」(全24巻)

各巻につき1人の英米文学作家を扱い、その作家についての簡潔な伝記、主要作品の梗概と解説、その作家についての研究を始めるきっかけとなる解説や文献目録が掲載されている。「評価」に書かれた内容などは多少古びた感も否めないが、該当作家がある場合には、その作家の大枠をつかむのに至極便利。

配架場所:アメリカカナダ研究所 & 学部(地下2階)

請求記号:10-B 930.28の棚

「英米文学史講座」(全13巻+別冊)

時代ごとに編纂された文学史全集——中世(第1巻)、ルネッサンス(第2巻、第3巻)、17世紀(第4巻)、18世紀(第5巻、第6巻)、19世紀(第7巻~第9巻)、20世紀(第10巻~第13巻)。別巻には「文学史の方法」「文学史年表」「索引」を収める。さまざまな研究者が特定の作家、また、時代背景について執筆を行っており、各時代の英米文学史的特徴を掴むことができる。福原麟太郎、西川正身が監修。

配架場所:書庫7階

請求記号:930.2:E374:v.1~Suppl

「講座 英米文学史」(全13巻)

上記の全集に比べて、この講座に特徴的なのは、各巻がジャンル別になっている点である——「詩」(第1巻~第3巻)、「劇」(第5巻、第7巻)、小説(第8巻~第11巻)、批評・評論(第12巻、第13巻)——但し、第6巻は未刊行。それぞれの専門分野の研究者が執筆しており、それぞれのジャンルの思想や変遷といった広範な視点を簡潔かつ専門的に得ることができる。加納秀夫、小津次郎、朱牟田夏雄、外山滋比古らが編集を担当。

配架場所:学部(地下2階)(9巻はアメリカカナダ研究所にも配架)

請求記号:930.2:Ko984:v.1~v.13

日本の英米文学研究の黄金時代に興味があれば……

「研究社 英文學叢書」(復刻版)(全100巻)

復刻された原本は1920年頃から1950年頃にかけて出版されたもの。当時の英文学に対する熱意が感じられる全集。各巻、「作品(英語の原文)+詳細な注釈(+注釈への索引)」からなっている。復刻版も旧字体のままであるがゆえの読みにくさはあるものの、当該の作品を扱う際に手元において置くと参考になる。主幹者は岡倉由三郎、市河三喜。

配架場所:書庫7階

請求記号:938:Ke455の棚

「研究社 英米文學評傳叢書」(復刻版)(全100巻、別冊3巻)

上記の「研究社英文學叢書」と同じく歴史的な価値のある全集。各巻、1人の作家を扱い、自伝的な内容、主要作品の解説が中心となっている。なによりも、格調高く雅な日本語で書かれており、分量も冊子程度(100頁前後)なので、一度は目を通してみる価値がある。別冊3巻の内容は「英米文学年表」「文学用語小辞典」「総索引」となっている。

配架場所:書庫7階

請求記号:930.2:Ke455の棚

研究書(単著)

Francis Otto Matthiessen
American Renaissance: Art and Expression in the Age of Emerson and Whitman

アメリカ文学史に「アメリカン・ルネッサンス」という用語を定着させたのが本書。現在古典作家として知られるエマソン、ソロー、ホーソーン、メルヴィル、ホイットマンの5人について、民主主義の可能性の模索というテーマが分析される。本書から浮かび上がるマシーセン像はまさに博覧強記。現在ではしばしばマシーセンの人種的・ジェンダー的なイデオロギーが批判の対象になるが、良くも悪くもいまだに影響力とインパクトの強い研究書である。

配架場所:アメリカカナダ研究所書庫(旧版は書庫7階にも所蔵)

請求記号:PS:201:M3

◇邦訳
SUP上智大学出版『アメリカン・ルネッサンス』(上・下)

辞書・事典

斉藤勇監修・西川正身, 平井正穂編
『研究社英米文学辞典』(第三版)

英米文学辞典の古典。第三版も80年代出版のため、情報が少し古いが、最も信頼される文学辞典の代表。

配架場所:書庫7階&Ref1階

請求記号:930.33:Sa257:1985  930.33:Sa257:1985

Philip P. Wiener (Editor in chief)
Dictionary of the History of Ideas : Studies of Selected Pivotal Ideas (全5巻)

英米文学プロパーの辞典ではないが、文学研究に欠かせない西洋思想の背景知識を包括的に学ぶには欠かせない汎知的事典。「愛」や「自然」、「イデオロギー」、「ロマン主義」などの概念がいかに発生し、いかに発展したのかを通史的に分析・解説する。「文学のパラドックス」のロザリー・コリーや「神話(19、20世紀における)」のミルチャ・エリヤーデなど、各項目の執筆陣はまさに圧巻である。邦訳としてはふたつ――(1)簡略版として類似項目を編纂して30巻にまとめなおした叢書、(2)完訳の『西洋思想大事典』――がある。

配架場所:一階レファレンス

請求記号:CB:5:D52:1973:v.1~index

◇邦訳
平凡社『[叢書]ヒストリー・オブ・アイディアズ』(全30巻)

配架場所:一箇所にまとめられていないので、各巻参照のこと

請求記号:一箇所にまとめられていないので、各巻参照のこと

平凡社『西洋思想大事典』荒川幾男ほか日本語版編集(全5巻)

配架場所:一階レファレンス

請求記号:130.33:W724:v.1~index

Richard Wightman Fox and James T. Kloppenberg (Editors in chief)
A Companion to American Thought

アメリカの著名な学者がそれぞれの専門項目を担当した一巻本の思想史事典。『西洋思想大事典』のような包括性や重量はないが、アメリカの哲学、宗教、文化、人物などに関する各項目は、学術的に信頼のある記述でありながら、簡潔に全体像がつかめるようになっている。

配架場所:書庫6階

請求記号:E:169.1:C685:1995