成果公開

研究発表

第6回CNRS-KIAS-SIAS共同セミナー「Sufism, Sufi orders and Saints from Africa to Asia: New Researches in Japan and in France」(2019年3月2日(土))の報告書

2018年度報告

 イスラーム研究センターは、2019年3月2日、フランス・パリにて、CNRS-KIAS-SIAS共同セミナーを開催しました。以下は本セミナーで研究発表を行った参加者からの報告です。

フランス出張・研究発表報告(2019年3月1日~3月7日)

期間:2019年3月1日~3月7日
国名: フランス・パリ
出張・報告者:近藤 文哉(上智大学大学院グローバル・スタディーズ研究科地域研究専攻博士後期課程)

【出張報告】
 出張・報告者(近藤)は、フランス・パリにて2019年3月2日に開催されたCNRS-KIAS-SIAS共同セミナーに出席し、エジプトのマウリド(預言者や聖者をたたえる祝祭)に関する発表を比較の視点から行った。
 まず、マウリドを比較した研究がほとんど存在しない点を指摘し、本報告でエジプトの代表的なマウリドであるサイイダ・ナフィーサ(カイロ)、アフマド・バダウィー(タンター)とアブー・ハッジャージュ(ルクソール)のマウリドを挙げて比較を行った。
 その結果、いくつか興味深い点が浮き上がった。第一に、サイイダ・ナフィーサのマウリドでは、道路上に二重のセキュリティゲートが設置されたために、これまでより、また他のマウリドよりもゲート内で祝祭的空間が表れていることが示された。
 第二に、アブー・ハッジャージュのマウリドでは、祝祭終了後の撤去作業が、他のマウリドと比べて圧倒的に早いことが指摘された。それに対し、マウリドが観光客の多く訪れるルクソール・モスクで実施されるために、「秩序」を早く回復するべきであるとみなされていたからという解釈を示した。
 最後に、今後の比較のためには、理論的な研究だけではなく、民族誌的研究も継続して実施すること、共同研究を実施することが望ましいことが指摘された。 

【セミナー情報】
【Seminar Title】 "Sufism, Sufi orders and Saints from Africa to Asia: New Researchers in Japan and in France"

Date: Saturday March 2nd 2019 – 9:00 to 17:00 - Amphi 3

Venue: INALCO – Pole des langues orientales, BULAC
65 rue des Grands Moulins - F-75013 PARIS

Opening :

TONAGA Yasushi and Pierre-Jean LUIZARD

1. Sufi Orders in the Indian subcontient

NINOMIYA Ayako (Aoyama Gakuin University), Tension, Emotion and Devotion: Master-Disciple Relationships and Consolidation of Tariqa in Medieval India
Discussant: Alexandre Papas (CNRS-CETOBAC/EHESS-PSL)

Muhammad TOUSEEF (CNRS-GSRL-EPHE/EHESS/CETOBAC-PSL), The Sufi ritual of Samāʿ: A New Perspective by the Chishtī Master Khwāja ʿUbaydullāh Multānī (d. 1888)
Discussant: NINOMIYA Ayako

Coffee break

2. Sufism and reformism

YAMAZAKI Satoru (Kyoto University), Between Secrecy and Orthodoxy: Tradition and Reform among Contemporary ‘Alawis
Discussant: Thierry Zarcone

Ayse AKYÜREK (CNRS-GSRL/EPHE-PSL), The reinventions of the mevlevi sema (ou dance?) from 1954 to the present day
Discussant: TONAGA Yasushi

Lunch

3. Saint veneration in Turkey and in the Middle East

Samuel VERLEY (CNRS-CETOBAC/EHESS-PSL), Al-Khidr in the Turkish Alawi cult of the saints
Discussant: TONAGA Yasushi

KONDO Fumiya (Sophia University), The Mawlid of Abu al-Hajjaj and other Mawlids: A Comparative Analysis (tentative)
Discussant: Pierre-Jean Luizard (CNRS-GSRL/EPHE-PSL)

Coffee break

MADONO Kotoko (Kyoto University), Niyâzî-i Mıṣrî’s Time Theory Based on the Unity of Existence
Discussant: Thierry Zarcone

Questions:

Closing :

NINOMIYA Ayako; Alexandre PAPAS; Thierry ZARCONE

Diner



成果公開

  • ジャウィ文書研究会アーカイブ
  • 上智大学・早稲田大学共同研究 アジア・アフリカにおける諸宗教の関係の歴史と現状
  • 上智大学 イスラーム地域研究(2015)
  • 大学共同利用機関法人 人間文化研究機構
  • 国立民族学博物館現代中東地域研究拠点
  • 東京外国語大学拠点
  • 京都大学拠点
  • 秋田大学拠点
  • 早稲田大学 イスラーム地域研究機構
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