保健体育研究室では、保健体育科目を次のようなねらいと構成で展開しています。






上智大学の教育理念は“men and women for others,with others”に最も良く表現されているといわれます。みなさんがこれから受講する全学共通科目の中心に「キリスト教人間学」が位置づくのも、そのことを本学のカリキュラムとして表現したものです。

さてこの普遍的な教育理念は、「キリスト教人間学」だけが担うべきものなのでしょうか。あるいは、その科目以外では担えない理念なのでしょうか。実は本学が提供するカリキュラムは、理念的レベルでは、すべてこの教育理念の実現に向けて準備されているといっても過言ではありません。本学が指定した科目群と所属する学科が指定した科目群、そしてみなさんが自由に選択する科目群が相互に作用し統合され、上智の教育理念がみなさん自身の内部で発酵し、いかなる進路を選ぼうとも「他者のために、他者とともに」生きる人間となって上智を巣立ってほしいとの願いが、カリキュラムには込められているのです。

実は、その一端を担う科目として本学の保健体育科目も存在します。みなさんが中学や高校で学習した「体育」とは異なる視点から、本学の教育理念を支えているのです。それは、大学知を包含する理性的知の体系からのアプローチに加え、アナログな<身体の知>を通して、理念にアプローチする本学の保健体育に特有な道筋です。あなたにとって、一生涯にわたり添い遂げねばならない身体(生きている自己の「場」)を認識し、その生身の身体をメディアとして他者や集団や環境とコミュニケートしていくことを学んでいくのが、保健体育科目の教育理念をめぐるオリジナリティーとなります。

特に、現代社会に生きる人々は便利な情報通信ツールに囲まれ、デジタルな情報でのコミュニケーションが圧倒的な領域を占めてきています。そんな中で生じている昨今の身体的現象(リストカット、拒食等)や社会的現象(自殺、いじめ等)を考える手立てとしても、身体は有効なパースペクティブを与えてくれます。本学の教育理念である他者との「共生」は、けっして理性的知の理論学習だけで終わってはなりません。必ずや一方で、実践による体感を通してその意味と術が個々人に身体化され、それが文化として共有されてはじめて実践的な教育理念となるのです。

このように保健体育科目は、社会的人間の営みにとって極めて重要なコミュニケーションメディアである<身体>に着目し、身体から、あるいは身体を通して考える授業を展開します。そしてその文脈において、全人的健康「ウエルネス」をめざすライフスタイルの獲得や、豊かなスポーツ文化の享受について問題解決のための学習支援を行っていきます。おそらく、授業の過程で体験する仲間との喜怒哀楽の共有は、あなたのキャンパスライフを活性化し、また人間関係を円滑にしてくれる貴重な財産となるでしょう。以上のような本学の保健体育科目のユニークな視点をご理解いただき、積極的に授業に参画してもらうことを希望します。




※15年次生として(01〜08年度生、理工学部生は旧科目構成)
全学共通科目30単位の中で、必修科目として「ウエルネスと身体」(演習科目:半期2単位)を開講しています。
(心身の健康障害その他の理由で、この授業の履修が困難な学生のために特別クラスを開講)

また、選択科目の中で「身体文化系」(講義と演習(半期2単位)実技(半期1単位)を各種開講しています。

   全学共通科目の構成







30

必  修 12単位  体育 2単位 ウエルネスと身体
 外国語科目 8単位
 情報リテラシー 2単位
選択必修 4単位  キリスト教人間学
選  択 14単位 → 「身体文化系(講義・演習・実技)」等での単位取得可


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