卒業生の声

ローマ大学交換留学記

2012年度卒業生 櫻井麻実(上智大学大学院文学研究科史学専攻博士前期課程)
2013年9月、タルクィニア、ネクロポリにて

2013年9月、タルクィニア、ネクロポリにて

2013年の夏より10か月間、交換留学の制度を利用してローマ大学に留学をしました。
私は1500年代のローマ周辺の庭園美術史について勉強しています。留学の目的は修士論文作成のための史料収集と現地調査でした。前期はイタリア語に慣れるため、また専門科目の基礎知識を固めるために近世美術史の概説を5,6科目聴講しました。1科目につき週2、3コマあるので、ほぼ毎日大学に通うことになります。試験は受けていません。口述試験が多いので単位を取るためにはかなりしっかりと準備をする必要があるからです。

後期は図書館に通い史料収集を進めながら、近郊の庭園に足を運びました。現地調査では、現地に足を運ぶことで様々な発見や出会いがありました。例えばポーリというローマ近郊の街では、役所の方にお願いし普段は一般公開していない建物を小学生の団体に混じり見学することができました。イタリアの元気一杯の子どもたちと楽しいひと時を過ごすことができたことも素敵な思い出です。また私の研究の中心テーマである「怪物公園」があるボマルツォという街には、古代エトルリア時代のものとされる遺跡があります。そこを訪れた際、偶然にもその遺跡を清掃管理されている方との出会いがあり、「怪物庭園」と古代エトルリア遺跡に関する見解について伺うことが出来ました。その上、昼食にもお招きいただき、イタリアの家庭の温かさにも触れることができました

留学に際し最初に語学学校に通う方もいますが、私はその分に時間とお金をイタリア人の友人と過ごしたり、実際に街を歩きイタリア人とコミュニケーションを取ることに費やしました。最初はこれでもかというほどいろいろと赤っ恥をかきましたが、実生活の中で学ぶことは多く、徐々に慣れていきました。

日本とは異なる環境の中でいろいろと戸惑うこともありますが、同居人であるイタリア人の友人を始めたくさんの人に支えられ、楽しく有意義な時間を過ごすことができました。
これから留学される方は、是非当たって砕けろの精神で自分に必要だと思うことを積極的に求めて見てください。きっと素敵な出会いがあると思います。

※史学科生の皆さんにアドヴァイス
他国については分かりませんが、イタリアのいくつかの博物館や遺跡には、史学科生、美術史学科生などを対象とした通常の学割より更に安くなる学割があります。しかし交換留学先で発行される学生証には専攻が記載されない場合があります。なので担当教諭の先生などに依頼し証明書になるような書面を書いていただき、持参するとよいかも知れません。
また大学で美術史系の授業を取っていると、たまに美術館の無料券を発行してもらえたりします。学割を活用していろいろ見てみてください。

2013年10月、オルヴィエト大聖堂をバックに

2013年10月、オルヴィエト大聖堂をバックに

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