卒業生の声

真摯な研究姿勢を教示してくださった、アットホームで学生想いの先生方に感謝!

2008年度大学院前期課程修了 柳下惠美(早稲田大学文学学術院総合人文科学研究センター助手)
2011年8月ニューヨークにて

2011年8月ニューヨークにて

私が西洋史を本格的に学ぼうと思ったのは、幼少期から歴史やノンフィクションの物語が好きだったことに起因しています。歴史上に登場してくる様々な人物が、実はこれまで語られていなかった側面を有している事などが分かった時、皆さんはその人物に親近感を抱いたり、それまでとは違った観点で物事をみるようにならないでしょうか。

また小学校から高校まで学んでいた歴史が、一次史料を詳細に辿っていくと実は通常語られていることとは違っていたり、それを知ることにより少し世界の見方が変わったりすることがあります。勿論、義務教育で学ぶ歴史は基礎としては大切ですが、大学、大学院ではこれまで学んできた歴史の中から自分の興味・関心のある時代、国、文化を選択し、それをよく掘り下げて関連する史料を自ら読み解き、過去を自分の目を通して再現できるという醍醐味があります。

上智大学の史学科は、先生方其々がご自分の専門に対して大変真摯に向き合っており、これら上記の事を全て叶えてくれる環境が整っていました。自分の専門領域以外のゼミにも気軽に出席させて頂くことができたのも先生方がお互いにそれぞれを尊重し合い、学生のことを真剣に考えていたからこそと感謝したいと思います。

2010年1月 長谷川先生を囲む感謝パーティーで:長谷川先生と奥様のイザベル先生

2010年1月 長谷川先生を囲む感謝パーティーで:長谷川先生と奥様のイザベル先生

私の指導教員であった近世史ご専門の長谷川先生は、文献を読み解く術や論文執筆に必要な文献を丁寧に教えてくださり、特に修士論文執筆時には詳細にご指導頂くなど、大変お世話になりました。そして多くの事に関心を持ってしまう私は、論文執筆の際には、“決めたテーマから外れることのないように”とその基本を教えられました。いつも笑顔の長谷川先生の研究室にはその温かいお人柄に魅かれ数多くの学生が相談に訪れていたことを覚えています。

古代史ご専門の豊田先生からは“現地に行って自分の目で真実を確かめる”という調査研究の基礎を徹底して学ばさせて頂きました。海外各地に何十回と出向き、一次史料の収集と調査を行って執筆した私の博士論文は、このことが好評価に繋がったと思っております。ジョークを交え、笑いの絶えない豊田先生の授業は受講するのが大変楽しみでした。数多く所蔵しておられた研究室のDVDを気軽に貸して頂いたことを覚えております。

近代史ご専門の井上先生のゼミでは、“史料を詳細に読み解く術や一次史料の重要性、また様々な観点から1つ事柄を捉えることの大切さ”を教えていただきました。私は先生のゼミでも発表させて頂く機会を与えられましたが、ここで学ばせて頂いたことはその後の国内外の学会等での発表に役立っており、井上先生のゼミで培った賜物と思っています。

中世史ご専門の児嶋先生からは“残された芸術品・美術品から何が見えてくるのか”について学ばさせて頂きました。もともと美術・芸術鑑賞が好きな私でしたが、なお一層美術史や絵画への興味が増すことになりました。イタリア語を流暢に話し、通訳をなさっていた児嶋先生のお姿は今でも覚えております。

私は上智大学ではジャン=ジャック・ルソーの友人で18世紀を生きたデピネ夫人に焦点をあて修士論文を執筆、修士を修了後、博士後期課程に2年間ほど在籍し、研究対象を舞踊家イザドラ・ダンカンにしたことから、その後早稲田大学に移りましたが、史学大会など出向いた際にも私が在籍していた頃と全く変わらず、先生方はいつもアットホームな雰囲気で温かく迎えて下さいました。

2009年3月 上智大学正門の前で:大学院学位授与式 

2009年3月
上智大学正門の前で:大学院学位授与式 

上智大学在籍中は主に西洋史専門の先生方一人一人から当時の文化、芸術、社会等について学びましたが、ここで学ばさせて頂いた研究に対する姿勢は、博士論文「イザドラ・ダンカンの舞踊芸術の形成とその普及―彼女と継承者たちの国際的公演・教育活動」を執筆する際に有益であったことは言うまでもありませんし、様々な先生方から培った学びは今でも貴重な財産になっております。今後も研究を続けていく上で、史学科で培い、学ばさせて頂いたことを誇りとしてまた心の拠り所として、さらに精進していきたいと思っております。
将来、上智大学の史学科で学ばれる皆さんは、ここでの学習経験は必ずや何らかの形でご自身の財産になることと思います。有意義な学生生活でありますように!

2014年7月 アテネで開催された国際学会で

2014年7月
アテネで開催された国際学会で

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