卒業生の活躍

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Hindernisse und Schwierigkeiten sind Stufen, auf denen wir in die Höhe steigen.
(障害や難儀は私たちが上に昇るための階段である。)

2019年度卒 西形幸祐

ドイツ文学科を選んだ理由を教えてください。

ドイツ文学科では、文学はもちろんのこと、 ヨーロッパ各国の歴史や文化を学ぶことができます。私は高校時代から本を読むことや海外の歴史が好きで、外国語そのものというよりは、「外国語 × 文学」の組み合わせで学びたいと考えていました。文学の魅力は字面をそのまま解釈するだけではなく、書かれた時代背景や当時の世の中の雰囲気、筆者の人間関係など、様々な視点から見つめることで、隠された真のメッセージを受け取ることができるのが醍醐味であり、奥深さがあると思います。

ドイツ文学科を選んでよかった点は何でしょうか。

入学前は全くドイツ語に触れたことはありませんでしたが、ゼロからのスタートでも優しい教授の方々がアルファベットの読み方から丁寧に教えて頂けますので、無理なく学習を進めていくことができました。そしてドイツ文学科では、人、価値観、文化等、高校の学習で知り得ない「生のドイツ」のあらゆる顔を知ることができた点だと思います。ドイツといえば、グリム童話が有名ですが皆さんはメルヘンなディズニー作品とは裏腹に実は恐ろしく、生々しいということはご存じでしょうか?これはほんの一例ですが、「ドイツ語」や「ドイツ文学」は思ったよりも多く、身近に隠れていますので、探してみてください。

そして詳しく知りたくなったら、ぜひドイツ文学科へ!

ヴェネツィアのリアルト橋からの風景。

2回留学なさったんですね

2年次には、短期語学研修( 1 カ月)で環境都市フライブルク、 3 年次には交換留学( 1 年)で旧西ドイツの首都ボンへ留学しました。留学生専用のドイツ語学習プログラムに加え、ボン大学には Japanologie (日本学)の学科があり、オタク文化やクールジャパンなど日本の文化や価値観についてドイツ語で学ぶ機会があり、母国を外から見つめ直すというとても新鮮な経験をすることができました。また、ドイツは都市や季節によって見せる景色が違うため、各都市を巡るのも大変面白いです。特に各地で綺麗に飾り付けられたクリスマスマーケットは必見です!

苦労したことと言えば、Deutsche Bahn (ドイツ鉄道) の遅延問題でしょうか。ドイツは比較的時間に厳しいと言われていますが、普通に 1時間単位で遅れることがあるため、時間に余裕を持って行動することが大事です(笑) 。

在学中はどのようなことに積極的に取り組みましたか?

はじめはドイツ文学を読むことができるようになるため、ドイツ語を必死に勉強しました。次に交換留学にて西ドイツの首都であるボンへ 1年間留学し、机上では学ぶことのできない生きたドイツ語を学びました。 EU 内は出入りがしやすかったので、ドイツだけでなく 10 ヶ国以上に訪れることができました。留学をしたことで様々な人と出会い、異文化を経験することができました。加えて、ドイツ詩の魅力に惹かれ、卒業論文はフランス革命期を生きたヘルダーリンという詩人について執筆しました。

在学時にお世話になった佐藤教授(左)と中村教授(右)。

現在のお仕事の内容をお聞かせください。

商社にて、リスクマネジメント業務に従事していました。具体的には、商社にはトレードと事業投資という大きな 2 つのビジネスの柱があり、これらビジネスを推進していく上で、立ちはだかる壁(リスク)を発見・分析・審査をして、成功に導けるようにサポートをする業務になります。数字を用いた分析に加え、海外の調査書を読み、カントリーリスクを分析し、レポートにまとめ、社長をはじめとしたマネジメント層へ提言する等、素早い情報処理能力と人を動かす文章作成力が求められます。

現在は、前職でのリスクマネジメント業務で培ったスキルを活かしつつ、より企業を俯瞰的に見るために経営企画業務にチャレンジしています。
※2022年10月より株式会社リクルートへ転職

ドイツ文学科での経験が生かされたなと思うことはありますか?

留学を経験したこともあり、グローバルの舞台で働くことと世の中にインパクトがある仕事がしたいというのが私の中で最優先事項でした。加えて、私自身 2011 年に東日本大震災を経験したこともあり、生活インフラ及びそれらに使われる鉄の重要性を身に染みて感じており、これらを総合的に鑑みて、商社に就職することにしました。一つの事象を様々な視点から見ることや留学で得た国際感覚は商社での仕事に大きく生きました。文学とは心の豊かさにつながる教養であるため、業務に直接結びつくことはあまりありませんが、作品を解釈・分析をする過程で得たスキルは必ず生きてくるため、文学部であるが故に就職活動で不利になるということはないと感じています。

受験生に向けて一言お願いいたします。

受験勉強は長く、辛く、心が挫折しそうになることも多々あると思います。そんな時こそ自分が憧れるキャンパスライフ(合格後のイメージ)を想像し、乗り越えていって欲しいと思います。最後にドイツの哲学者ニーチェのある言葉を引用したいと思います。

Hindernisse und Schwierigkeiten sind Stufen, auf denen wir in die Höhe steigen.
(障害や難儀は私たちが上に昇るための階段である。)

カーニバルで仮装した人たちでごった返すケルン駅前。