学科長からのメッセージ

作品を通じて時空を超えた旅に出よう

わたしたちは日々、何かを見たり感じたりして「これは何だろう?」と読み解こうとしています。その時、意識しなくても、今までに自分が体験してきたこと、読んだ本、観た映像、聴いた音楽などと照らし合わせて「今、ここ」を感じ、把握していませんか。

フランス文学科で、文学だけでなく絵画、オペラ、バレエ作品などを読み解き、遠い場所や時代を分析するうちに、身近なものもより深く味わえる実感を持つかもしれません。フランスだけでなく時にはベルギー、アフリカ、カナダなどのフランス語圏に触れ、さまざまな考え方を「読む」ことで、地域や文化の違いを細やかに分析し、そこから自分の考えを組み立てる経験を積むことができます。

個々の経験や作品を「見る」だけでなく、他のジャンルの作品との関係や社会背景をふまえて読み、そこから開けてくる世界を聴き、嗅ぎ、立体的に把握する旅に出ませんか。ビデオも録音もなかった時代に少しでも入り込むことをゆるしてくれるのは、書かれた言葉、描かれた作品、紙やスクリーンや人々の脳内にやきつけられて長い時間の中を泳いできた何かです。

パリ・オペラコミック座のサロン

ふと見える現実と、それを描いた作品の間をつなぐことで、わたしたちは個人の人生や感性を超え、異なった時代の想像力に触れることができます。文学や舞台芸術、絵画、音楽を「読み」ながら、想像力を何倍にもかけ合わせ、心理の分岐点を超えて思いを伸ばしていく、そんな冒険を一緒にできることを楽しみにしています。

フランス文学科長 博多かおる