VOL.8
2007年卒業
全日本空輸株式会社 勤務
井出裕加吏さん
ANA井出① (2)

井出裕加吏 全日本空輸株式会社勤務

Q. 現在はどこで、どのようなお仕事をなさっていますか。

 全日本空輸株式会社(以下ANA)に勤めています。現在は、海外ベース客室乗務員の採用、契約、労務管理、ならびにANAの客室乗務員が所属する部署でグローバル化に関わる戦略の企画を担当しています。
 2007年に総合職事務職で入社しました。入社後は成田空港で国際線旅客業務、台湾での海外実務研修、ANA運航便の品質サポートの部署を経て、商品戦略部にて航空機のシートやギャレーといった航空機内のプロダクト開発を担当し、現在の部署に至ります。
 職種の特性上、数年毎のジョブローテーションが一般的です。私自身様々な業務を担当してきましたが、どの部署においても海外企業との取引、ANA海外支店とのやりとりが多く、会議やプロジェクト一つとってもグローバルな視点が求められ、学びと刺激の多い社会人生活にやりがいを感じています。外国籍の方々とのコミュニケーションでは、ロシアおよび諸外国が身近な存在である上智大学での経験が、自然な形で活きていると実感しています。

 ANA井出① (2)

Q. なぜ、現在の職場を選んだのですか?

 大学入学時より抱いていた「ロシアと日本の架け橋になりたい」という想い、その原点にあるものを深堀していくと、ロシアのみならず世界中の国々と日本を繋ぎ、国籍や文化背景の異なる人どうしの垣根をなくしたいというものだと気づきました。航空会社は、まさにそのような私自身の想いを実現できる業界だと考えました。
 ANAに入社を決めた理由は、国内外問わず様々な挑戦ができる会社であること、社員が仕事に誇りとやりがいをもっていること、そして女性も幅広い分野でキャリアを積んでいける会社だと考えたからです。1年間のサンクトペテルブルグ国立大学への留学経験から、ロシア関係で社会に貢献できる企業も魅力的でしたが、最後に選択したのは、ロシアという専門性を強みとしながら、社会人として成長できる可能性が高いと感じられるANAでした。職場でロシア語を使う機会は多くはないですが、ロシア人のお客様の対応や、ロシア語資料の翻訳の依頼を受けることもあります。

ANA井出② (2)

 Q.ロシア語学科で学んでよかったと思うことは何ですか。

 上智大学ロシア語学科は、ロシア語およびロシアに関わるあらゆる分野を研究する上で大変恵まれた環境です。とりわけ第一線で活躍をされている教授の方々の授業は、過去のソ連、ロシアはもちろんのこと、日本にいながら「今のロシア」「本物のロシア」を学ぶことができます。
 ロシア語の授業は少人数のクラスも多く、学生と先生方の距離が非常に近いです。大学で、これほどまで丁寧に一人ひとり指導してくださる先生方に出会えたことは一生の財産です。ロシア語のもつ音の響きや美しさに魅了され、いつかは自分もロシア語を話せるようになりたいという想いでロシア語学科に入学しましたが、新しい言語学習をゼロからのスタートすることは毎日の授業についていくだけでも毎日必死で、学科の友人と大学の図書館にこもる毎日でした(笑)。けれども、挫折することなくロシア語学習に夢中になれたのは、4年間学生と真摯に向き合い続けてくださった先生方のおかげだと感じます。

 Q.大学中に一番印象に残っていることは何ですか。

 1年間のサンクトペテルブルグへの留学です。自身の常識や物事の捉え方が180度変わりました。異国でカルチャーショックを受けるのは当然ですが、短期間ではなく1年という留学期間の中では、その後の人生を豊かなものにしてくれる数多くの要素を習得できたように感じます。
 私は「郷に入ったら郷に従う」タイプで、言語を取り巻く人や環境下(生活、風習、社会、哲学、宗教、文化等)に身を置いてロシアを学びたいと考え、1年間ロシア人家庭でのホームステイを選択しました。家族の一員として迎え入れてくれたホストファミリーとの生活では、ゲスト扱い一切なし、些細な口論もよくありました(笑)が、ロシア人の気質や絶対に譲らない考え、重んじる風習や娯楽、敬意を表す歴史上の出来事や人物、周辺諸国に対する感情・・・等、四六時中ロシア人と一緒に時間を過ごす中での気づきは、「異文化体験」という言葉以上のものだと考えています。国籍問わず人間どうしが心を通わせコミュニケーションを図るツールは言語だけではないということを体感しました。

 Q.後輩へのメッセージ

 大学時代、何か一つでも時間を忘れて夢中になれること、一生懸命取り組めることを見つけてください。人生の中で、これほどまで時間を自由に使える贅沢な期間は、そう多くはありません。 
 私自身、少しでも興味のあることは挑戦してみました。ロシア留学、ロシア語学科劇、ロシア語スピーチコンテスト、ロシア文化論ゼミ、体育会部活動、アルバイト、海外旅行、ボランティア活動、企業でのインターンシップ、そして集大成は卒業論文。今振り返るとあっという間の大学生活でしたが、そういった貴重な経験を通して、かけがいのない友人、先生方との出会いに恵まれたと感じています。
 結果が思うように出ないことももちろんありました。けれども、大学時代に何かに一生懸命に向き合い、頑張ることができたという自信は、社会人生活において困難な場面に直面しても、最後まであきらめず解決策を見出すための原動力になっていると感じます。
 多くの人との出会いを大切に、何事にも挑戦する気持ちを持ち続けてください。応援しています!