本学科生が教皇フランシスコと話しました!

12月18日(月)に「教皇フランシスコと話そう」という大学の企画がありました。バチカンと四谷を衛星TVシステムでつなぎ、学生たちが投げかける質問に教皇さまが直接答えるというプログラムです。当日は上智の公式You Tubeでライブでも配信されました(今も以下から視聴できます)。
https://www.youtube.com/watch?v=gmVvMDtpRUM

本学科生はスペイン語で質問をしました。以下は本人のコメントです。

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¡Hola! ¿Cómo están?

こんにちは。4年生の小早川麻美です。私がこの企画の質問者に立候補した理由は主に二つあります。一つ目は、教皇に直接質問できる機会なんて、これを逃したら二度とない、と思ったから。二つ目は、教皇の貧困問題に対するお考えをより知りたいと思ったから。私は、キリスト教者でもないし、教皇についての知識もなかったため、まずは教皇が書かれた「Laudato Si’」を読みました。その文章の長さに諦めかけましたが、80ページ何とか目を通して、やっと応募したときには締め切りギリギリでした。でも、このラウダ―ト・シを読んだことで、フランシスコ教皇が、ここまで中南米の人々の支持を集めている理由がなんとなくわかりました。

私は、「環境破壊と貧困問題を同時に解決するにはどうしたらよいか」という質問をしたのですが、そこに焦点を当てたのにも理由があります。私は、大学三年次にペルーのリマに留学をしていました。そこで初めて目の当たりにした貧富の格差。リマだけでなくコロンビアやメキシコ、ボリビア等を旅する中で、貧困の現実はとても重く私にのしかかりました。彼らに支援として金銭や物資を与えることは、解決にならない。そういった寄付を得るために、わざと貧しさを装う人々もいると聞いたこともあります。こういった現実を見て、何もできない自分の無力さを強く感じました。教皇は南米出身なこともあり、数々の場面でこの貧富の問題にも触れられています。そして、貧しい人々に最も環境破壊の影響が及ぶ傾向があるともおっしゃっています。「世界には環境問題と貧困問題といった二つの複雑な問題があるのではなく、環境・貧困問題という一つの複雑な問題がある」とおっしゃった教皇のお考えを具体的に伺いたく、今回この質問をしました。

この質問に対して、教皇は経済至上主義で消費社会の世界を批判したうえで、社会と環境問題は切り離せない、とおっしゃっていました。与えられた時間が短く、具体的な対策については語られませんでしたが、私は先進国(被害を与える側)の一員として、自分主義から離れて、周りを見る広い視野を養うことから始めようと思いました。私たち人間はエゴイストです。自分と、自分に近い人の幸せを守ることに必死で、周りを見ることができていません。そのため、問題解決の第一歩として、まずは自分の世界を広げ、世界の様々なところで起こる問題を身近なものとして捉えることが重要なのではないか、と考えたのです。教皇はまさにそれを実行しています。世界中の人々を自分の家族のように想い、人々のために尽くしていらっしゃいます。そういった教皇の人柄や考え方を、私の質問のご回答からだけでなく、他の質問のご回答からも感じられました。今回の「教皇フランシスコと話そう」は、私にとって、とても貴重な体験となり、これから社会に出て働く上で、意識しておくべきことを教えられました。「ラウダ―ト・シ」はインターネット上に公開されているので、一度読んでみることをお勧めします。
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