中世の街で学ぶ

青木萌

こんにちは!ドイツ語学科2年の青木萌です。12月に入ってドイツ各地でクリスマスマーケットが開かれる季節になりました。私が現在留学しているバンベルクでも11月末から開かれており、たくさんの人で賑わっています。

バンベルクはバイエルン州北部に位置する街で、バンベルク交響楽団は世界的に有名です。が、それ以外は日本人にとってあまり馴染みのない街のようで、日本人観光客はあまり見かけませんし、私の通うバンベルク大学にも、日本人留学生は私を含めて5人だけです。市内には電車が通る駅が1つだけで、それ以外の公共機関はバスしかありません。そのバスも一番間隔が短くて15分に1本、しかも夜の8時を過ぎると40分に1本しかなくなります。市の中心部から少し離れた寮で暮らす私は、時間に正確でかつ、健全な生活を強いられております。このように、東京にはない不便さがありますが、慣れればこの生活も気に入っています。

そんな小さな街、バンベルクですが、歴史は古く、中世からあまり変わっていない旧市街は世界遺産に登録されています。第二次世界大戦で他の都市が破壊される中、バンベルクは空爆をほとんど受けなかったため、古い街並みがそのまま残っているのです。

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バンベルクのランドマーク、旧市庁舎

川の真ん中に建てられた旧市庁舎やバンベルク大聖堂など、小さな街の中に名所はたくさんあり、週末はドイツ人観光客がたくさん来ます。

さて、私が学ぶバンベルク大学は、市内の至るところに校舎が分散されていますが、大部分は観光名所のある旧市街にあり、まさに歴史を肌で感じながら勉強しています。
そしてこの大学、日本からの留学生は少ないものの、バンベルク大学に通う交換留学生自体は多く、留学生向けのドイツ語講座は大変充実しております。リスニング、ライティング、リーディング、文法、発音練習… 様々な授業の中から取りたい授業、取りたいレベルを自分でカスタマイズすることができ、さらに様々な国籍の留学生と仲良くなれます。
中でも私が好きな授業は、“Kulturstadt Bamberg”という授業で、バンベルクを歴史、産業、文化など様々な角度で学べる授業です。

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授業で使用する教科書

上の写真のようにこんな分厚い教科書をもらえ、また美術館やマリオネットシアターなど、文化的なところにも連れて行ってくれます。バンベルクをもっと好きになること間違いなしです!

また、授業以外でも留学生のためのアクティビティが充実しており、私はドイツ人の家族と交流するStiPfプログラムにも参加しています。私のパートナーファミリーは9歳の女の子がいる家族なのですが、小さい子と交流するのは新鮮で、とても貴重な経験をさせてもらっています。先日も、その女の子が通う小学校のミュージカルに連れて行ってもらいました!子供の話すドイツ語は比較的易しく、子供達が歌っている姿は本当に可愛らしかったです。

と、バンベルクでの有意義な生活を綴ってみましたが、初めの1ヶ月はトラブル続きでした。

入居の手続きが思いの外スムーズに済んだせいなのか、私が抜けているせいなのか…管理人のいない日曜日にオートロック式の自室から鍵を持たずに外に出てインキーしてしまったり(同じ寮に住む上智の友人の部屋に一泊させてもらいました)、スーパーでカード類がすべて入っている財布を失くしてしまったり、ドイツでやってはいけないことを9月の段階でやらかしました。ですが、その度にバンベルクの人の優しさに触れ、ドイツ語を駆使して乗り切って来ました。(お財布は、学生証が入っていたため、親切な住民が大学まで届けてくださって、奇跡的にお金やカードごとすべてそのまま返ってきました!)本当にこの3ヶ月で、たくましくなったと思います。

私は、半年の在外履修のみで日本に帰ってしまうので、もうドイツ滞在はあと3ヶ月を切りました。こんなにドイツ語と接する機会はなかなかないので、時間を有効活用して、有意義な時間を過ごしたいです。

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上智の友人とコンサートホールにて。部屋も近く、私の心の支えです。