ドイツでの共同生活

大河原楓

こんにちは!1年間の交換留学でボンに来ている、ドイツ語学科3年の大河原楓です。ドイツ生活もいよいよ後半に突入、冬学期が始まって早くも1ヵ月が経ちました。

留学期間中、生活をある意味一番左右するであろう住まい環境について少し紹介したいと思います。

私は渡独前、2種類ある住居のうちEinzelzimmer(1人暮らし)を希望しましたが、返ってきたのは「あなたの住まいは、キッチンとお風呂シェアのWGに決まりました」という答えでした。WGとはWohngemeinschaftという単語の略で、シェアハウスの意味です。希望と違うじゃないかと抗議メールを送ろうかとも思いましたが、なんだかWGも楽しそうかもと思い、ボンにやってきました。

最初は、古くて決してきれいとは言えない自分のフロアを見て、ここに1年間住むのか..と少しショックを受けましたが、半年も経つと目も慣れてきます(笑)
引っ越して数日間、洗面所にいくつか置いてあったトイレットペーパーを使っていたら、あとから隣部屋のポーランド人の女の子に「もしかして私のペーパーを使っていない?あれは使う量が人それぞれだから自分のを用意してね!」と言われ、ハッと焦ったと同時に納得したり。
前期と後期でメンバーの入れ替わりもあり、今はアゼルバイジャン人、トルコ人、ドイツ人2人と私の計5人(男女比2:3)で暮らしています。

ドイツにはゴキブリはいないものの、ハエやハチがとにかく多い!特に夏は窓を少しでも開けていると彼らは容赦なく入ってきます。昼間はキッチンのゴミ箱を、夜は灯りを求めて彼らは集まります。もう我慢ならず、ハエの退治法をネットで調べたところ、見つけたのが麺つゆ+洗剤+水少々で作る「麺つゆコバエ退治法」。みんなこれに興味津々で、夏にハエが大量発生した際には麺つゆカップ係になっていました。(ちなみに3日ほどすると効果が見られます)

もちろん各自の個人部屋もあるので、それぞれプライベートスペースは保ちつつ、日によってはキッチンでおしゃべりしながら一緒に料理をしたり、セメスター始めには皆で顔合わせをして毎週の掃除プランを計画したりと、楽しい共同生活を送っています。

授業のことについても少し書きたいと思います。今期は少人数で行われるセミナーを主に受けているのですが、中でも特に大変で楽しいのが歴史の授業です。第二次世界大戦時の反ナチス抵抗運動の内容を扱う授業と、冷戦からドイツ東西統一までの流れを学ぶセミナーを取っています。クラスには実際に家族が東ドイツ出身の学生がいて、彼らの話を聞くことができたりと、そう古くない「まだ新しい歴史」をドイツ人と一緒に学んでいます。

ドイツ統一のテーマを扱う授業では宿題として資料が配られ、次回それについての全体ディスカッションを行うのですが、私は毎週ディスカッションに参加することに必死です!頭の中が歴史辞書なんじゃないかと思うくらい、しょっちゅう発言する子たちに圧倒され、全体のテンポについていけなくて落ち込むこともあります。周りがドイツ人ばかりだとつい、「私は留学生だから」と自分に甘えてしまい、また、知らない人たちを前に、緊張と遠慮が重なり縮こまってしまうことが最初はとてもストレスでした。留学生だからこそ周りのネイティブに頼って、もっと積極的になろう、と動き始めている今日この頃です。

寮の真向かいに建つ教会の鐘が、朝から晩まで15分ごとに鳴るため、鐘の回数で時間が分かるようになりました。朝は6時頃から鳴っているそうで、一緒に住む子のうち何人かはうるさくて目が覚めてしまうと言っていましたが、私にはまったく聞こえません。最近は朝6時に鐘の音で目が覚めたらいいなと思い、窓を少し開けて寝たりもしていますが、今のところ効果はありません。写真は、部屋のバルコンから撮った夕焼けです。

先週サマータイムも終わり、これから寒い冬が始まりますが、ここでしかできない体験を大切にし、引き続きボンでの生活を楽しもうと思います。

k-ogawara