ウィーンの生活についてと考えていた(いる)こと

諏訪貴子

Grüß Gott! 皆さんこんにちは。今年の1月末からオーストリアのウィーン大学に留学し ている、ドイツ語学科3年の諏訪貴子です。他の人の記事を読んでもお分かりの通り、ドイ ツ留学の記事が多く、同じドイツ語圏でもオーストリアの生活を知る機会が少ないと思う ので、ウィーンについてと、私が留学前、留学中に考えていた(いる)ことを書かせていた だきます。

ウィーンについて
ウィーンといえば、”音楽の都” と想像する人が少なくないと思いますが、まさにその通りで、街を歩けばモーツァルトの格好をしてコンサートチケットを販売する人が何人もいたり、あちこちでバイオリンの音色が聞こえてきたり、クラシック音楽の流れるお手洗いがあったり笑。と音楽で溢れている素敵な街です。休日にはテラスで優雅にコーヒーを片手にタルトやケーキを食べ、おしゃべりや読書を楽しむ人も多く、毎日の生活をのんびりと楽しんでいる人が多いように思います。
それから、ウィーンは外国人が多い街です。住人の約半分が外国人なので、街中では英語をはじめ、ドイツ語以外の言葉を耳にすることがよくあります。日本語で話しかけてくるオ ーストリア人もたまにいます笑
音楽を学びにくる日本人留学生や、オペラや劇場にくる日本人観光客も多く、日本人を目にすることも少なくありません。日本のものを買えるお店や和食屋さんもいくつかあるので、和食が恋しくなったときに便利です!

留学前に考えていたこと
早く海外に行きたい!あれもやりたい、これもやりたい…。
留学前に考えていたことは、早く留学したい!行ってから○○したい!と海外に対する強い憧れといくつかの目標を持っていました。上智大学でドイツ語を磨き、ドイツ語圏の大学で一般の学生と勉強できるようになることを夢見ていました。

留学中に考えていた(いる)こと
留学生活の半分を終えて思うことは、やりたいことを全部こなそうとするとかなりのエネルギーを消耗するということです。やりたいことを全部やろう!と思ってウィーンに到着して間もなく、必要な書類をウィーン大学に提出しに行ったり、語学学校を申し込みに行ったり、インターンやアルバイトの申請をしたり、かなりどたばたで前半は日本で就活をしているような感じでした(日本の就活は一度も経験したことがないですが…。) 大学の勉強も、なんとかなるだろう、と思って踏み込んだものの、想像以上にハードで、自分が不器用なのもありますがなかなか思うようにいかず、4月から現在に至るまでずっと試験勉強をしています。ウィーン大学でゲルマニスティックを専攻していますが、毎日読む、読む、 読む、の連続でした。中世から現代にかけての文献、メディア、歴史を学び、最初はあまりの勉強量の多さに圧倒されて何度も焦りましたが、毎日少しずつ継続して勉強するようにし、友達や教授に協力してもらいながらなんとか前半の大学生活を終えることができまし た。アルバイトに関しては、ウィーンにあるホテルで働き始めたものの、外国人学部生が許可される労働時間が短すぎて、結局辞めざるを得なくなりました。(ウィーンでは外国人学部生は週に10 時間まで労働が許可され、AMS で申請ができます)せっかく仲良くなった同僚の皆さんと泣きながらお別れをしたのは本当に悲しかったです。
周りの人たちに本当に助けられた半年間でした。周囲の人たちがいなかったらどうなっていたのだろう、と思うとぞっとします。ハラハラドキドキが多い半年間でしたがこれらの経験は本当に私を大きく成長させてくれたと思うし、周りの人への感謝の気持ちでいっぱいです。ただ、この経験をする上でかなりのエネルギーがいることを実感しました。テスト勉強をいくらやっても不安で眠れなかったり、一時期、食欲がなくなったり、ストレスで寝られなかったりしたので、無理をすることはよくないことだと思います。たまには息抜きをすることや、リラックスをして自分と冷静に向き合う時間が大切だと思いました。規則正しい生活がよりよい結果に結びつくと思います。

最後にこれから留学する皆さんへ
留学はひとそれぞれで、時には悩むことや辛いこともあるかもしれません。でも、ちょっと勇気を出して行動に移したり、人に頼ってみたり、頑張ろう!と前向きに思う気持ちがあればきっとうまくいくし、何とかなります。もし思い悩むことがあっても、周囲の人にとってはちっぽけなことかもしれないし、簡単に解決するかもしれません。たまには周りの人に相談をしたり、自分の気持ちに素直になって、限られた時間の中での留学、楽しみながら頑張ってください。
個人的な意見ですが、小さなことでも自分にできることで何か明確で具体的な目標があ ると、それに向かって頑張ったり、行動したりして知らず知らずのうちに大きく成長する ことができると思います。私の場合、高校時代にドイツに留学した時に、ドイツ語をネイテ ィブ並みにぺらぺら話せるようになりたい!という目標を持ってドイツに行ったものの、 目標が抽象的で漠然としていたためか、生活する上で何度も思い悩んだり、実際に現地校 での勉強が始まると、あまりに分からなすぎて感情が不安定になったりして、混乱してど うしていいかわからなくなり、何回もパニックになっていた気がします笑。まだ高校生あ ったのもあるかもしれませんが…。今考えてみると、日本で少ししか勉強しなかったドイ ツ語を使って現地の高校で勉強することは、自分にとってあまりに難しいことだったし、 自分のレベルよりもさらに上の事をやろうとしていたので、うまくいかないことがあって無理はないと思います。でも、自分にできそうなことで、明確で具体的な目標があって、そのためのプロセスもある程度考えられるなら、目標実現のための行動をしていくこと、冷静に自分と向き合うことができ、周りで起こる予想外のことで感情を左右させることは少なくなると思います。それに、自分にとって小さなことでも目標が明確で、具体的なら行動に移しやすいのではと思います。
つらつらと偉そうに自分の意見を書いてしまいましたが、あくまで私の意見であって、 皆さんそれぞれいろいろな思いがあると思います。高く掲げた目標も思った以上に簡単に達成できたり、小さなことが全く思うようにいかなかったりするかもしれません。行ってみないとわからないし、経験してみないとわからないと思います。きっと自分にしか経験できない貴重な留学生活を過ごせます。無理して頑張りすぎず、体調には気を付けてください!
皆さんにとって楽しくて素敵な留学生活になりますように!
最後まで読んでくれて本当にありがとうございました。
Ciao Baba!

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