だってドイツだもの。

吉田一平

はじめまして、ベルリン自由大学に留学中の吉田一平です。
ドイツに来て感じたことを、ちょっとした体験談を交えてつらつらと書いていきたいと思います。

ティム君

ドイツ人は勤勉である。
よく聞く話ですが、これは確実に作り話です。
日祝日はほぼ、どの店も閉まりますし、自由大学のゼミの先生も学期中であるにも関わらず休暇をとり、イタリアへと旅立ちました。
スーパーでも閉店間際になると、「早くしないと倍の値段にするよ!」と急かされます。
彼らは休むために仕事をする。そんな人達です。
勤勉の真逆を行く友人、ティム君の話です。
彼は僕のタンデムパートナー(ドイツ語と日本語を教えあいます)で、よくビールを一緒に飲んだりカラオケに行ったりする仲です。
いつも決まった時間に会って宿題を見てもらうのですが…
「やば!寝坊したわ!」とか、「ごめん!忘れとったわ!」と来ないことが多いです。ベルリンの寒い冬空の下で1時間ほど待たされた時は、さすがにキレそうになりましたが、
「すまん!でも友達も連れてきたから!」
悪びれる様子もなくニコニコしている彼を見ると、小さな事にカリカリしている自分が少し情けなく思えてきます。
そんな彼は、もうすぐ日本に留学生としてやって来ます。
さて彼は日本で生きていけるのでしょうか…!

ドレスデンのバス停にて

休みになると、ベルリンを出て他の街に行くことが多いです。
移動は高速バス(2階建て)が主で、安くて座席も広いので非常に便利です。
ベルリンから2時間程、ドレスデンからの帰り道、バスに乗ろうとすると
「2階には乗らないでくれ!ここに来る途中で誰かが吐いたんだよ、でも掃除は俺の仕事じゃない!ベルリンにいる係員がするんだ!」
これ、いかにもドイツ的です。
お客様に迷惑が掛かろうがお構いなし、自分は知らない、誰かがやってくれる…
でもこれでいいんです、ドイツにサービスを求めてはいけません。
帰りのバスはかなりギュウギュウでしたが、とーっても快適でございました。

郵便事情

ドイツで生活するとなると、もちろんお金が必要なわけで、すぐに銀行口座を開設しなければいけません。
幸いにも手続きは簡単に終わり、意気揚々と帰途につきました。
僕が口座を開設した銀行は、セキュリティーの関係上、キャッシュカードとパスワードが記載された紙を別々に送ってきます。
約1週間でカードが届きました、しかし待てども待てどもパスワードが届きません。
もう一度、銀行へと向かいパスワードが届かない旨を伝えると
「左様でございますか、それでは新しいパスワードに変更するための4桁の数を送ります
1週間後、4桁の数はきちんと届きました、しかし操作を誤ってカードが無効になりました!
新しいカードを作らなければいけません。
注文しましたが、今回は何も届きません。
銀行に行くと、
「確かに以前、お送りしています。寮の管理人に聞いてみて下さい」と言われました。
管理人に銀行からカードが届いていないか聞きましたが、もちろん答えは Nein。
再び銀行に向かい、新しいカードを注文しました。
1週間後きちんとカードは届きましたが、またパスワードが届かない!Verdammt!
この頃にはすでに、全財産が4ユーロになり、友達に水やパンを恵んでもらう身になっていました。
もうそこらへんの空き缶コレクターと変わらない生活です。
もう行き飽きた銀行へ再び足を運んでから1週間後、例の4桁の数が届き、ようやくカードが使えるようになりました。
もう途中から、自分でも何を書いているのか分からなくなってきました。
ただ一つ言えることは、届くものも届かない。
そういうことです。

サッカーの話

ヘルタ・ベルリンとボルシア・ドルトムントの試合観戦後、友人と共にスーパーに向かいました。
友人はドルトムントのユニフォームを着ていたのですが、そんな彼に向かって店員(中年ベルリナー)が
「この店の中ではその服を脱いでくれ」
と笑いながら言うのです。
こんな冗談、一歩間違えれば喧嘩になります。
でも、そんな冗談が生まれる環境はサッカー好きの僕には羨ましい限り…
アウェイの地に乗り込んで応援しに行くと、厳しい洗礼を受けることがあります。
街の中で敵チームのユニフォームを着ていたのですが、
試合終了後、家へと向かう道すがら、地元サポーターからビールをかけられましたし、青年二人組からは「Schei…!!!」(汚い言葉なので自粛)
と叫ばれました。
ドイツにいると、本当にサッカーはみんなに愛されているなと感じます。
こんな言葉がそれをよく表しています。
Fußball ist zwar nicht unser Leben – aber was wäre das Leben ohne Fußball!  (確かにサッカーは僕達の生活そのものではないけれど、サッカーなしの暮らしって何なんだろう!)

 ムカつくことや、びっくりすること、あきれることもあるけれど笑い飛ばせばいいんです。

だってドイツだもの。

i-yoshida