渡独1か月にして溢れ出る疲労感

三輪透子

はじめまして。在外履修生として2月までベルリン自由大学(略称FU)で学ばせていただきます、ドイツ語学科2年生の三輪です。滞在1か月程度でドイツ語がペラペラになるわけもなく、日本で陰気だったはずの自分が留学して友達100人作れたわけでもないです。留学生らしく楽しいお話はこれからの人たちが十分に書いてくださると思いますので、私は、こちらで暮すにあたって必要な手続きの過程(主に失敗談)と学期前の語学講座を終えての感想を少しばかりお伝えします。


9月1日。炎天下の中ベルリンに到着し学生寮の入居手続きを終えた直後、私はある失態に気が付きました。
住民登録の予約を取っていなかったということに。
ドイツに3か月以上滞在する場合、現地到着から7日以内にお役所に行って住民登録をする必要があります。住民登録をしないと、大学の入学手続き・銀行口座開設・ビザ申請・SIMカードの購入…といったすべての手続きを行うことができません。この住民登録ですが、ベルリン市内には沢山お役所があるにも関わらず、予約がなかなか取れません。周りの日本人の学生たちは渡独の1~2か月前にネットで予約済みだったそうですが、私は何もしていませんでした。着いて早々大慌て。週明け月曜の朝5時に起床してなんとかオンラインで当日予約をもぎ取り、2時間かけてリヒテンベルクの役所に辿り着きました。手に汗握りながら椅子に座り待ち、自分の受付番号が呼ばれ向かったところ、肝心の手続きは10分で何の問題もなく終了しました。

しかしこれは序の口でした。この後から現在まで、私は自分の要領の悪さゆえに、他の留学生よりもかなり諸手続きに難航しています。朝2時起きで寒空の中、外国人局の前で3時間並んだビザ申請では(これも本来事前予約が必要でした)、持ち込んだ日本の銀行の残高証明書が5日期限を過ぎていたので受け付けてもらえず、閉鎖口座をドイツの銀行でつくってから出直すように言われました。Deutsche Bankで閉鎖口座を開設するためのフォーマットは完璧に記入したはずなのにエラーが消えず、閉店15分前に近くの支店に駆け込んで銀行員たち数人までも巻き込んで大騒ぎ(この件は先日無事解決しました)。

大学には、日本語学科の学生たちがこういった手続きを殆ど手伝ってくれるシステムが存在します。本来かしこい留学生ならばこれを利用して、不必要なことに悩まされず合理的に時間を有効に使って楽しんでいるところでしょう。ただ、今まで実家暮らしで金銭的な手続き含め何から何まで親に任せっきりで生活してきた私にとっては、今回の経験は必要なものであったと、自分ではそう思います。
ずいぶんと見栄を張ったことを書きましたが、本心ではビザをできる限り早く取得して安心して眠れる日が来ることを切実に願っています。

先日、大学での6週間にわたるドイツ語講座が終了しました。月曜~金曜まで毎日4時間と長丁場でしたが、欧米出身の学生たちに揉まれながらも、4技能を確実に高めることができたという実感があります。
授業期間内で、一度だけプレゼンテーションをする機会がありました。「ドイツに関する映画」というお題を出されたので、今年の四月に日本で観た『女は二度決断する(ドイツ語題:Aus dem nichts)』について発表しました。ハンブルクに住む女性がトルコ系移民の夫と息子を、ネオナチズムを信仰する若い男女二人組によって殺されるという、実話に基づいた内容です。移民問題は勿論ですが、家族を失った悲しみと敵への憎しみを抱えたひとりの女性の強さ・弱さを心理的に深く描いた素晴らしい作品です。授業内で予想以上にクラスメイト達から多くの反応を貰ったことは嬉しかったのですが、チェコ出身の映画学専攻の女子学生に自分の考察の甘さを指摘されたことは今でも非常に悔しいです。

ここまで一字一句逃さず読んでくださった方にも、留学前の情報集めついでに斜め読みした方にも、感謝の意を申し上げて私の記事の締めとさせていただきます。ありがとうございました。もう散々手続きで面倒を起こして沢山の方に迷惑をかけたので、ここからは何事もなく無事に帰ってこれたらいいなと思います。

参考文献:『女は二度決断する』公式サイトhttp://www.bitters.co.jp/ketsudan/

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