VOL.12
1994年度卒業
国際協力機構(JICA)カメルーン事務所長
増田 淳子さん
スクリーンショット(2017-06-29 16.43.15)

国際協力機構(JICA)で働く

現在どこでどのようなお仕事をなさっていますか?

 2017年4月より、国際協力機構(JICA)のカメルーン事務所で、所長としてカメルーンに対するJICA事業の企画・運営及び拠点運営・管理の総括を担っています。
 2017年3月までは、JICA本部(アフリカ部)で、西部及び中部アフリカ地域のフランス語圏を中心とする20カ国を所掌するアフリカ第四課の課長として、所掌地域の各国に対する協力計画の立案や実施、JICA内外の関係者との折衝等を総括していました。

なぜ現在の職場を選んだのですか?

 父親は日本で鉄道の仕事をしていましたが、鉄道分野の技術協力のため、JICAの専門家としてアフリカのザイール(当時。現在のコンゴ民主共和国)に2年 間派遣され、当時小学生だった私は、そのうちの1年間を家族と一緒に現地で過ごしました。それが私にとって初めての外国への渡航でしたが、言葉も異なり、 名前を聞いたこともなかったこんなに遠い国とも日本は繋がっているのだと知り、将来、自分も日本ではあまり知られていないフランス語圏アフリカに携わる仕 事に就きたいと思うようになりました。それが、上智大学のフランス語学科に入学した動機であり、現在の職場であるJICAへの就職を志望した理由でもあり ます。

カメルーンに対する円借款供与式

カメルーンに対する円借款供与式

フランス語学科で学んでよかったと思うことは何ですか?

 フランス語の基礎を様々な側面から総合的に学ぶことができ、実践的なフランス語力を身に着けることができたことに加え、フランスやフランス語圏地域の政治・社会・文化等の概況や結びつきを学ぶことができたこと、フランスに留学する機会を得られたこと、副専攻として国際関係学を専攻できたこと、だと思います。
    その後、フランスに語学留学した際にも、JICA就職後の転勤でモロッコやセネガルなどのフランス語圏に転勤することになった際にも、しっかり基礎が身に着いていたことで上達が早かったと思います。
    実践面では、ロベルジュ先生の「ビビロロ」が、その後実生活でフランス語らしくフランス語を話す上でとても役に立ちました。フランス語圏では「フランス語らしく(美しく)話す」ことに一定の価値が置かれることを実感しています。
また、副専攻で国際関係学を履修し、主専攻のフランス語と関連づけて、フランス語圏の国際関係についての学びを深めることができたのも大変有益でした。
 フランス語圏諸国との国際協力においては、フランス語で折衝にあたる力とフランス及びフランス語圏世界に対する理解が必要とされることから、自分の専門性として職業上の強みになっています。

在学中に一番印象に残っていることは何ですか?

 入学して先ず衝撃を受けたのは、ロベルジュ先生のビビロロの授業でした。まるで小学校に通い始めた子供のような気持ちになりましたが、上述のとおり「フランス語らしいフランス語」を身に着ける上で大変役に立ちました。
 そのほか、創設間もないラクロスチームでの練習漬けの日々や、フランスへの語学留学など、思い出は尽きませんが、大学時代に力を入れて良かったと思うことのひとつは卒業論文の執筆です。
 主専攻であるフランス語/フランス語圏地域と、副専攻である国際関係学(ゼミは国際社会学)を掛け合わせて、フランス語圏サブサハラ・アフリカからフランスへの労働力移動をテーマに執筆しました。

 当時はインターネットもなかったので、国会図書館やアジア経済研究所図書館あるいは学内のみならず他大学の先生方の研究室に足を運び、フランス語圏サブサハラ・アフリカについて学びを深める機会となり、その際に得た知見や人脈はその後の仕事でも役に立っています。

カメルーン経済計画大臣との円借款署名式

カメルーン経済計画大臣との円借款署名式

最後に、フランス語学科の学生にメッセージをお願いします。

 私の在学中には、フランス語学科内でフランスやマグレブに関心を持っている同級生はいても、サブサハラ・アフリカに関心を持っている学生はほとんどいませ んでした。現在では、上智大学でもサブサハラ・アフリカの大学との関係構築・強化に積極的に取り組んでおられ、教員や学生の皆さんが実際に現地に渡航され るなど、サブサハラ・アフリカに関心をお持ちの方々が増えているのを実感します。
 政府開発援助(ODA)をはじめとする国際協力の世界において、英語力に加えて、フランス語による交渉力を有していることは大きなアドバンテージになりま す。フランス語を活用した仕事に就くことを目指しておられる皆さんには、大学在学中に是非DALFなどの語学力を証明する国際的な資格を得ておかれること をお勧めします。
 なお、近年フランス語を一定程度習得された上でJICAに入構してこられる方々の傾向としては、大学院をはじめとするフランスの教育機関への留学経験を 持っておられたり、青年海外協力隊員としてフランス語圏アフリカでの活動経験を持っておられる方々が少なくありません。

 JICA職員の場合、開発途上国への赴任はほぼ必須であり、机上の学習のみならず、フランス語を用いる環境での生活、学習経験や、アフリカ地域の開発課題 に対する具体的な関心あるいは実地での経験があることは優位な要素になると思います。また、フランス語力のみならず、一定の英語力も必要とされます。
 フランス語学科の学生として国際協力を目指す皆さんには、語学に加えて、地域(特にフランス語圏の開発途上国)もしくはこれら地域の主要な開発課題に対す る関心を掘り下げて学習をされるとともに、機会があれば、是非現地に一度足を踏み入れる機会も持っていただけるとよいと思います。

 国際協力の世界では、フランス語人材ニーズは大きく、JICAとしても、学生さんをはじめとする皆さんに国際協力に関心を持っていただけるよう様々な取組 を行っていますので、フランス語学科の皆さんにも是非フランスのみならず、サブサハラ・アフリカを含むフランス語圏地域にも関心を持っていただき、共にフ ランス語圏アフリカ向けの国際協力に携わる仲間を増やしていきたいと願っています。そのために私でお役にたてることがあれば是非力になりたいと思っていま す。 

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