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学部Q&A

外国語学部への入学を考えている受験生から受けることの多い質問にお答えします。

総合グローバル学部は、外国語学部とはどのような違いがあるのですか?
この2つの学部は、目標とするゴールはほぼ同じと言っていいと思います。ともに「他者のために、他者とともに(Men and women for others, with others)」という上智大学の教育精神を根底に持ちながら、地球大の舞台で活躍できる人物を育成したいと考えているからです。
両者の違いは、その「入口」と「軸足」と言っていいでしょう。総合グローバル学部はものごとを見る「視座」や分析する際の「視角」に軸足を置きながら世界やさまざまな地域が抱えている問題にアプローチしていきます。したがって1~2年次には社会科学分野の理論や研究方法論を講義や基礎演習を通じて集中的に学びます。それに対し外国語学部は、的確な言語運用能力の獲得を4年間の「学び」の土台として位置づけています。集中的に「ことば」を身に付けながら、「言語」そのものや「地域」の問題にアプローチしていく。ここに大きな違いがあります。
この2つの学部は強力な「学部間連携」をとっていますので、外国語学部に入学して「ことば」に関する集中的な訓練を受けながら、例えば総合グローバル学部が開講する科目を中心に構成される「国際政治論研究コース」でグローバルな課題に取り組むこともできますし、逆に外国語学部が得意とする地域(例えばラテンアメリカ)について開講される講義やゼミに総合グローバル学部の学生がやってきて、外国語学部の学生と机を並べて勉強するということもあると思います。両方の学部の学生がそれぞれ得意な分野(「理論」とか特定の「言語」など)を持ち寄って、互いに切磋琢磨していく。それによって新たなものが生み出されていく“化学反応”にも私たちは期待しています。
外国語学部は、外国語だけを勉強する学部ですか?
 発足の経緯もあって日本語では「外国語学部」となっていますが、英語ではより広い内容を意味するFaculty of Foreign Studies(直訳すれば外国研究学部)を用いています。  もし、外国語の修得だけを目指すのであれば、街中にある語学校に通えばいいわけです。外国語学部は、複数言語の修得と専門分野の研究、この二つを教育と研究の両輪としています。
もともと学部が発足した当初、1950年代末は、日本の国際化のために外国語の教育が何よりも期待されその修得が優先されたわけですが、日本人の海外での幅広い活躍や日本社会の国際化にともなって、外国語の高い運用能力だけでは不十分になりました。語学とともにその言語を使う社会を複眼的に把握できる知識と能力をもった人間の養成が求められるようになり、教育カリキュラムも、長い時間をかけて、この両面を備えたかたちへと改編してきました。
今回、外国語学部のカリキュラムが新しくなったと聞きました。言語の修得という点で、何か新しい特徴があるのでしょうか。
はい、もちろんです。外国語学部は、もともと外国語教育については定評を得てきましたが、今回の改革はこれをさらに強化しようというものです。英語、ドイツ語、フランス語、イスパニア語、ロシア語、ポルトガル語、それぞれを専攻語とするどこかの学科に所属して、その言語の実践的な運用能力を身につけることができます。今やグローバル言語と言ってもよい英語(英語学科では英語以外の二つ目の外国語)の運用能力を、それぞれのニーズに合わせて強化していくためのカリキュラムも組まれます。さらに私たちは、日本語の運用能力もさらに伸ばしていく必要があると考えました。英語力強化をはかることでグローバル化が進む地球社会全体を視野に収め、もう一つの外国語の実践的運用能力を身につけて、その言語が使用される社会への複眼的な視点を養い、同時に多くの学生にとっての母語である日本語能力を磨くことで、日本人や日本社会、つまり自らの立脚点を相対化できる力を育てること。私たちはこの教育目標を「3言語×3視座」という新しい理念として掲げました。
新しくなった外国語学部のカリキュラムで、専門分野の研究には変化があるのですか。
大きく変化しました。これまで専門研究を行うシステムだった「専門分野制」を大幅に改編し、9つの研究コースを新たに開設しました。これまでは、外国語学部に入学した学生は、所属する学科によって履修できる専門分野が6,7つに限られていましたが、新しいカリキュラムでは、どの学科に所属していても、9つの研究コースの中から一つを、自身の関心にしたがって選択することができるのです。
9つの研究コースにはどのようなものがあるのですか。
 「北米研究コース」「ヨーロッパ研究コース」「ラテンアメリカ研究コース」「ロシア・ユーラシア研究コース」「アジア研究コース」「中東・アフリカ研究コース」の6つのコースでは、これらの諸地域を具体的に対象としつつ、社会学、宗教学、経済学、政治学、歴史学、文学、哲学などさまざまな学問分野の方法論を駆使しながら、研究を行います。
「言語研究コース」では、理論言語学や応用言語学、言語障害学、通訳・翻訳論など言語学の広大な領野を対象に学ぶことができ、また様々な外国語教育の理論や知識を身につけることもできます。
「国際政治論研究コース」 では、グローバル化した国際社会の政治状況を、国際関係と国内の政治・経済的ファクターとの共振関係の中で理解し、分析する力を養います。
「市民社会・国際協力論研究コース」では、世界の諸地域を国家の枠組みにとらわれずに多角的に理解し、その理解を、特に様々な国際協力の場でいかに生かしていくかを考えることができます。
受験生の中には、大学入学前に自分がどのような専門性を持てばよいのか、あるいは何が自分の関心対象であるのかをまだ具体的にわからない人も多いと思うのですが・・・。
 もちろん何を勉強したいのか、具体的なビジョンを持った学生を歓迎しますが、実際にはまだそういった目標が明確でない人もいるでしょう。そういう人にとっても、外国語学部は理想的な環境と言えるでしょう。
この先、どんな世界でみなさんが活躍することになるとしても、複数の言語運用能力は絶対に無駄になりません。外国語学部では、まず複数の言語を修得します。同時に、9つの研究コースごとに、また学部全体で、専門研究のための基礎的な知識や方法論を身につけることができる研究のための「導入科目」が多種多様に開講されています。また各学科でも、その学科の専攻語、たとえばフランス語学科ならフランス語が使用されている地域=「フランス語圏」に関する豊かな知識を獲得できる「フランス語圏基礎科目」も開講されています。こうした科目群を幅広く履修することで、いわば入学してから、改めて自分の専門とする研究対象を見定めていくこともできるのです。
2年生の終わりに、自分の研究コースを一つ選び、基礎・入門段階から知識を積み上げ、その研究コースでやはり開講されている「コア科目」を履修することでより専門的な知見を獲得し、3年次から履修することができる「演習科目」で、一人一人の問題関心に合わせて、それぞれの分野の専門家である教員から、丁寧な研究指導を受けることができます。そうした積み重ね、研究の成果を、オリジナルの「作品」であり、学生生活の集大成である「卒業論文・卒業研究」として作り上げていくのです。
日本語、英語に加え、少なくとももう一つの外国語の真に実践的な力をベースにした専門研究が、そうでない場合と比べて、いかに密度が濃く、刺激的なものになりうるか、想像してください。
外国語としては英語しか勉強していないのですが、果たしてドイツ語やフランス語、イスパニア語、ロシア語、ポルトガル語を身につけることができますか?
 中高合わせてすでに6年間勉強している英語と、大学に入って初めて学ぶ言語には大きな違いがあることを、私たちははっきりと認識しています。後者については「初習言語」と呼んで、この点を踏まえた教育方法をとっていますから心配はいりません。上智大学の外国語学部は言語教育の長い伝統と同時に、最先端のメソッドを持っており、私たちの提供するプログラムに沿って勉強を進めれば、ゼロから始めた一つの外国語の理解力と表現力を実践的なレベルにまで高めることができるのです。事実、1,2年生の時に、日本人とネイティブの教員が協力して作る授業を、週6コマ(1コマ90分)というきわめて密度の濃いかたちで受けることになりますが、その後、その言語を使用する地域の高等教育機関(大学や研究所)に留学し、専門的な講義に参加できるようになる学生が多くいるのです。
英語力も強化したいのですが。
 英語学科以外に所属する学生の多くが「二つ目の外国語」として英語を選びます。この場合、1年次に4単位を取得したあと、2年次以降は学生個々のニーズに合わせて、様々なレベル別、目的別の英語科目を選択して履修することができます。
英語学科の学生、あるいは他学科の学生であっても、英語以外を選択することもできます。ドイツ語やフランス語などヨーロッパ系の言語だけでなく、中国語や韓国語、タガログ語やアラビア語など多様な言語を学ぶことができるのです。英語以外を選択した場合は、8単位取得することが最初からオブリゲーションとなります。
ところで、上智大学には国際教養学部という学部がありますが、外国語学部とどう違うのですか。
 ともに「外国語」を使うということでしばしばこの質問を受けます。外国語学部は、複数の外国語を身につけて専門研究に取り組むのに対し、国際教養学部は、英語で人文科学、社会科学、国際経済、日本語、言語学、日本研究を学びます。授業はすべて英語で行われるのです。このように重点の置き方は大きく違いますから、どちらが自分のプランに合うのか十分に検討してください。もっとも、両学部で複数の科目をクロスして開講しており、外国語学部に在籍していても、英語で受講する力を持っている学生諸君は国際教養学部の授業を履修できます。
外国語学部には帰国生が多いと聞きます。外国に行ったことがないのですが大丈夫でしょうか。
 海外で勉強したことのある学生が多いのは確かです。もっとも、海外での生活体験があるから、外国語学部でより多くのことが吸収できるといった見方は正しいとは言えません。海外で生活した学生のなかには、外国語は話すが日本語が十分でないとか文法も知らないといった人もいますし、身振り手振りは外国人のようではあっても、その社会についての基礎知識に欠けていたり、「異文化への理解」といった点で、日本でしか生活したことのない学生と同じくらい学ばなければいけないことが多くある学生も少なくありません。
私たちが求めている学生は、複数言語の運用能力を身につけ、それらをベースにしてこの広く多様な世界を深く理解する力を養い、これらを駆使して、地球市民として世界に貢献しようとする意欲をもった若者です。「大学での学び」は奥深く、多様な可能性を持ったものです。海外生活の経験のあるなしは、外国語学部学生としての適性とは直接の関係はありません。
在学中に海外への留学を考えているのですが・・・。
 そもそも上智大学は、全国的に見ても、在学生の海外留学が盛んな教育機関といってよいでしょう。「交換留学協定」を結んだ大学や研究所などの高等教育機関が、世界中に180以上あり、この数は全国トップクラスです。留学を希望する学生のための奨学金制度や単位交換制度など様々な支援制度が整っており、実際に多くの学生が世界各地域に1年や半年といった期間、留学しています。また、夏休みや春休みを利用した短期集中語学講座や、海外研修といった制度も充実しています。より詳細な情報は、本学ホームページの「国際交流/留学」のページをご覧ください。
その中でも外国語学部は、留学する学生数という点で突出しているといってよいでしょう。長期・短期を含めれば、学部生の多くが何らかのかたちで「留学」を経験します。これは、もともと海外志向の強い学生が集まっていることも大きいですが、各学科できめ細やかな留学支援、指導が行われていることは無視しえない要因です。さらに2014年度からは、この留学支援制度を様々な点でより充実したかたちに変える予定となっています。
なおドイツ語学科は、独自に「在外履修制度」という留学制度を有しており、学科学生をドイツ語圏の大学に送り出すとともに、これらの大学の学生をドイツ語学科に受け入れています。つまりドイツ語学科では、同じ教室の中で、同世代のドイツ語話者の留学生と机を並べて勉強し、日常的に交流できるということです。
毎年どれくらいの卒業生がそれぞれの外国語を使える仕事に就いているのでしょうか?
 これはなかなか難しい質問です。というのも、卒業生の進路は多様ですし、しかも日本の会社や官庁は入社後ただちに新入社員の専門性に応じて配置するということをしないため把握が困難だからです。ただ卒業後5年、10年経つとかなりの人が、この学部で身につけた言語運用能力や海外に関する知識、専門性を認められてその外国語を使う職場や海外の駐在に出向いています。外国企業の日本への進出が増えているのも本学部の学生にとっては追い風です。卒業生の活躍についてはソフィア会(同窓会)のホームページをご覧ください。
卒業生の進路は?
 本学部のカリキュラムの多様性を反映して、卒業生の進路は実にさまざまです。民間企業はもとより、中央・地方の行政機関や国際機関、教育機関、報道機関に多くの卒業生が出ており高い評価を得ています。外国企業の日本進出が活発になっているため、外資系企業で働く卒業生も少なくありません。最近はNGOやNPOなどの非政府機関・非営利団体を志望する学生もいます。より詳細な情報は本学ホームページの「進路状況」のページをご覧ください。
また毎年かなりの数の卒業生が、国内、海外の大学院に進学し専門職や学問の道をめざしています。

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