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研究コース紹介

市民社会・国際協力論研究コース紹介

市民社会・国際協力論研究へのいざない

グローバルな現代世界について理解を深めるには、二通りのアプローチがあります。ひとつは国家や有力な国際機関・国際組織の動きから世界にアプローチする方法、もうひとつは一般市民や人々の動きや活動から世界にアプローチする方法です。前者では、世界の変化や歴史を分析する際に、有力な国家や政治家の考え方、外交政策さらには国際連盟(UN)やG8といった国際組織の動きを用います。「国際政治」、「国際関係論」と呼ばれる学問は主にこのアプローチのもとに発展してきました。
後者は、それとは全く異なったアプローチを取ります。国家や大きな国際組織の視点から世界を眺めるのではなく、人々の生活、意識、そして行動から世界を考察します。たとえば、貧困者はどのような構造から生み出され、それを変革し自ら発展していくためにどのような試みを行っているのか、原子力発電に反対する人々は世界の現状をどのように理解し、またどのような世界を未来で実現しようとしているのか、国家によって迫害された人々、難民などある特定の国家に属さない人々はなぜそのような状態に陥り、どのような経験をしているのか、現在与えられている環境で人々は幸せなのか、といった観点から世界を理解しようとします。
「市民社会・国際協力論研究コース」では、国家や国際機関等の動きだけではなく、こうした観点を大切にします。
「市民社会・国際協力論研究コース」では、世界各地に発生している多様な現象を扱います。たとえば南アジアの人々の経済的困窮、中南米の先住民がおかれている状況、アフリカの部族間の衝突、先進諸国内で貧富の格差の拡大、世界各地での環境問題を訴える人々、インターネットやソーシャルネットワークなどを使って世界を動き回る人々、自然災害の被害に対して世界中から集まるボランティアの活動、市民同士で国境を越えて協力する活動などさまざまな事象が研究対象となります。
「市民社会・国際協力論研究コース」では、困難にある人々をただ単に観察する、理解するだけではありません。そこからさらに進んで、その原因を分析し、どのようにすればそうした人々の生活が改善されるのか、また私たちはそのために何ができるのかという視点を持つ学生を育てたいと考えています。困難を抱えた人々を理解する、世界を変えるために動く、これが「市民社会・国際協力論研究コース」のエッセンスです。

市民社会・国際協力論研究コースの教育・研究上の理念

(1)人々の生活の現状、そしてそれがどのような条件のもとで営まれているか、客観的に理解する能力を養う。

(2)グローバル世界のさまざまな問題を理解し、その構造的要因を探求・分析していく能力を養う。

(3)人々の生活が困難にある状態にある場合、その解決策を模索する力を養う。

(4)世界各地の人々の生活や考え方に対して敏感になる感性を養う。
(5)困難を外から眺めるのみならず、その解決のために動ける人を養う。

市民社会・国際協力論研究コースのカリキュラム

本研究コースでは、以下の視点でグローバル世界での諸現象の学習研究ができます。
(1)国際政治経済:経済のグローバル化、貧困・開発・発展、経済的格差など
(2)開発経済:開発に関わる経済状況の変化と人々の生活など
(3)グローバル市民社会:ボランティア活動、社会運動、人々の自発的な活動など
(4)国際社会:移民、残留帰国者、難民など
(5)国際協力:経済開発、社会開発、開発援助、NGO、ジェンダーなど
(6)国際教育開発:途上国の教育政策、教育開発、その評価手法など

【導入科目】

本研究コースを選択する学生にはまず、1年次から以下の「導入科目」を履修することが求められます。市民社会・国際協力論研究コースの総括的な科目や、グローバル化について学問的素養を身につけるためのディシプリン系科目が設置されています。

<科目例>
「市民社会・国際協力論概説」「市民が関わる国際協力」「グローバル化と経済学」
「グローバル社会学」
「グローバル・ヒストリー」「グローバル化と宗教」
「グローバル化と情報」「宗教と文明」

【コア科目】

総括的な科目を修了したのち、研究領域を絞って学習を進めることになります。そのための科目が「コア科目」です。以下のような科目を履修し、専門的な知識を身につけます。

<科目例>
「フランス語圏アフリカの社会と経済」「北アフリカ社会開発論」
「ラ米政治社会特論」「ラ米経済概論」「ブラジル社会開発協力」
「特講ブラジル社会開発論」「現代アフリカ研究特講」
「グローバリゼーションと市民社会」「国際社会学」
「国際協力論」「国際政治経済論」「国際教育開発論」
「グローバル化と発展途上国」「福祉国家とジェンダー」

【演習科目】

3、4年次で履修する「演習科目」では、受講者それぞれが各自の研究対象を持ち、調査研究をすすめます。上記(1)から(6)に該当する演習が行われています。演習で教員の指導を受け、大学で学習研究の集大成として卒業論文をまとめます。

<科目例>

「演習(ラ米社会研究)」「演習(ブラジル社会研究)」
「演習(日独社会研究)」「演習(日仏社会研究)」
「演習(北アフリカ社会経済)」「演習(国際政治経済論)」「演習(開発経済学)」
「演習(国際社会学)」「演習(グローバル市民社会論)」
「演習(国際協力論)」「演習(国際教育開発論)」

履修モデル

以下のモデルに従う必要はありませんが、参考にして自身の履修計画を立てましょう。

①途上国の経済開発について体系的に学びたい

導入科目 市民社会・国際協力論概説、グローバル化と経済学1・2
コア科目 国際経済学1・2、国際協力論1・2、開発経済学、グローバル化と発展途上国、国際政治経済論(経済学的アプローチ)1・2、アフリカ社会経済論、AFRICA’S DEVELOPMENT AID
演習* 演習(開発経済学)1・2 または 演習(国際政治経済論・経済学的アプローチ)1・2または演習(国際協力論)1・2

②ラテンアメリカを対象地域として市民運動の意義について探究したい

導入科目 市民社会・国際協力論概説、市民が関わる国際協力、グローバル社会学
コア科目 ブラジル社会開発協力、グローバリゼーションと市民社会1・2、グローバル化と文化1・2、特講ブラジル社会開発論、ラ米政治社会特論A・B、国際協力論1・2
演習* 演習(ラ米社会研究)1・2 または 演習(ブラジル社会研究)1・2

*演習科目は入学年次によって必要な単位数が異なる。必ず履修要覧を参照すること。

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