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バルトの風

 

17日(土)14時より、L-911で、先日もここで紹介したシンポジウム「バルト諸語とその隣人たち―民族と言語をめぐる諸相―」と講演会(主催:日本スラブ学研究会[沼野充義会長(東京大学大学院教授)]、上智大学ヨーロッパ研究所)が催されました。

開会のことばを述べたときにフロアを見渡したところ、すでに100人を超す参加者がありました。会員や本学の教員に混じって、たくさんの学生たちも、バルト地域の言語や社会の多様性を考えさせる興味深いレクチャーに、熱心に耳を傾けていたのが印象的でした。

また、お忙しいなか足を運んでくださったエギディユス・メイルーナス駐日リトアニア大使からも丁寧なご挨拶をいただきました。大使は、私が生まれて初めて使ったカタコトのリトアニア語にも、笑顔で応じてくださいました。ただ、そのあとの会話の流れがリトアニア語になりかけたので、ロシア語に切り変えることで難を逃れましたが。

詳細はポスターで紹介したとおりですが、シンポジウムでは、4名のバルト・スラブ学研究者が登壇され、研究成果を披瀝されました。講演会のゲスト・スピーカーは、イネタ・ダバシンスキエネ博士(ヴィータウナス・マグヌス大教授)とオリガ・ヨコヤマ博士(UCLA叙勲教授)という、いずれも著名な言語学者で、貴重なお話をうかがうことができました。

シンポジウムと講演会終了後も、参加したみなさんが報告者や講演者といつまでも意見交換や歓談する光景が見られ、充実した学会でした。言語の話題を中心に据えたシンポジウムでしたが、初めて聞くリトアニア語やラトヴィア語に、バルト海の風を楽しみ、バルトを駆け抜けたさまざまな民族の風貌やこの地域の複雑な歴史を思い浮かべた参加者も多かったのではないでしょうか。

熱心に聴いてくれた学生のみなさん、ありがとうございます。新たな視点にふれて、何かをつかめたと思います。今後の勉強にじゅうぶん活かしたいですね。またこのような企画があるときは、お知らせします。

最後に、シンポジウムと講演会の企画・運営にあたって、獅子奮迅の活躍をなさった、本学会事務局長の木村護郎クリストフ先生(外国語学部ドイツ語学科教授)に、心からお礼申します。

 

 

 

 

 

 ※シンポジウムの様子はリトアニア大使館のウェブサイト(英語版)でもご覧いただけます

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